いつか咲う恋になれ
『行こう行こう。ついでに花火大会の前にプール行こうよ。最近新しく出来たとこあるじゃん』

可愛い絵文字を使いながら返信したのは安住ちゃんだった。そのすぐ後に親指を立てて目をキラーンとさせたスタンプを柴っちが返信。

なんかその流れが懐かしくて携帯を見ながら思わず微笑んだ。

でもそこで流れは終わる。後は残り三人の反応待ちの状態だ。山下君と柳は……もしかして私の反応待ちかな。

私は……みんなでわいわいしながらまた遊びたいな。素直にそう思いスタンプで反応した。

『楽しみ〜』

可愛らしいキャラクターが楽しみ〜と言っているスタンプ、早速既読4がついた。

『山下と柳は〜?もちろん行くよな?』

柴っちからの催促。数分後、山下君から『行くよ』と返信がきた。さらに遅れて柳も一言『行く』と返信した。

そして数日後、私は待ち合わせのため駅前に来ていた。

「やっほー紗倉。今日も暑いね〜」

手をパタパタさせ顔に風を送りながら安住ちゃんがやってきた。

「ホント毎日暑いね〜」

「あれ、柳はまだ来てないの?」

安住ちゃんはキョロキョロして柳を探す。今日は水着を買おうと思って安住ちゃんと柳と待ち合わせをしていた。

「柳遅いね〜……って来た!」

まだ少し離れたところにこっちに向かって歩いている柳を見つけた。柳も私に気づき、二人して動きが固まる。

距離を置いてから会うのは初めてで何か緊張してしまう。そんな空気を感じとったのか、安住ちゃんは大きな声で柳を呼ぶ。
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