多様性。引き裂かれるような胸の痛みに奥歯を噛み締める中、頭の中に浮かんだ言葉がこれだ。それが複雑に歪んだ、シビアな世界が広がっていました。小さな町だから目立ってはならない。想太のご家族が周りにどう思われるか。そこまで考えた上での花ちゃんママの言動なのだろうけれど、中学生には分からない、人の思惑がそこにはあって。冷静そうな花ちゃんは気が動転していて、だからこそ突拍子も無い行動に走って。傷だらけの彼女の痛みをそのまま抱きしめて、傍に居たいです。大人たちに反抗をしたくもなったけれど、一番悔しかったのは花ちゃんのお母さんなのかもしれない、と感じました。世間体とか人目とか。そういうモノを気にせずにいられる娘が少しだけ眩しかったかもしれない。でも。どうしようもない現実がそこにはありました。
切に願います。穹にセーラー服が届きますように、と。示唆に富んだ素敵な作品をありがとうございました。