君を愛する資格。
春side
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「春君は本当に大人しくていい子よね〜」
「わがまま言わなくて偉いわね〜」
俺は俗に言う "いい子" だった。
俺が生まれてすぐ父親が事故で亡くなり、
母子家庭で母親が忙しかったのもあるが、わがままも全く言わないし、親の言いつけは全て守っていた
でもその大人しい性格からか、幼稚園の時
俺はいじめの標的だった
いじめと言っても幼稚園生のいじめなんて
物やおやつを取られるとか、お昼寝でいつも
一人だとか
今思えばたいしたことない小さな事だが
当時の俺には相当こたえた
家に帰っても誰もいなく、テーブルには少しのお金と晩ご飯がおいてあることがほとんどだった
そんな時転入してきたのが古川秀だった
秀は明るくてすぐにみんなと打ち解けて人気者だった
俺とは違う人間なんだと思いつつ、俺は秀に憧れを抱いていた