君を愛する資格。
その日の夜だった
__________ドンドンッ!
「赤瀬さーん、いるんでしょ?」
勢いよく玄関の扉が叩かれる
台所の隅でうずくまる母親と俺
俺には何が起きているのかさっぱりわからなかった
ただ震えることしかできなかった
すると勢いよく立ち上がった母親が急にバッグに荷物を詰め始めた
「おかあ...さん......?」
その俺の声に振り返った母親は
いつもの優しい母親ではなかった
「春も早く荷物を詰めなさい。大事なものだけ持って。」
「で、でも......おか...」
「早くしなさい!!!」
初めて母親に怒鳴られたショックに頭が真っ白になって、俺は急いで自分の部屋に走った。