異世界猫。王子様から婚約破棄されましたが、実は聖女だったのでまったりもふもふ優しく騎士様に愛されます
聖女マリア……。
ここってもしかして、マリアクエストの舞台なの??
(マリアクエスト……、なんか似てますねー)
でしょでしょ? あたしも結局やり始めたばっかりでストーリーほとんどわかんないんだけど。
(平民の女の子が主役ですか……)
うんうん。そうなの。
初等教育を終え魔道士の塔で聖女修行を始めるところからのスタート。
確か最初は見習い聖女として騎士団に随行して魔獣の森に行くところからクエストが始まって……。
そういえば。
あたしとマリアンヌは記憶を共有してるけど、お互い経験したことのない記憶なんかすぐには思い出せないので。
こうして二人で会話してるとなんとなくわかってきたりするんだけどね?
会話して出てきたキーワードにイメージがかぶさるって感じ?
「それでは私はこれで。マリアンヌ嬢、次にこちらに来られる時はもう少し普通な装いでお願いしますね」
あうあう。フェリスさまに念押しされちゃった。
でもほんと、どうしよう?
王宮の入り口まではお母様と一緒にきたんだよね。お母様は王妃さまに会いに行ったからそこで無理やり別れたけど。
でも、変装したままじゃ一人で王宮の入り口も通れなかったってことかもだし。
「わたくし、王子様にお会いしたく無くって。わからないように変装していたのです……」
そう、ちょっとしょぼーんとして言った。
変装できないとほんと困っちゃう。
「確かにマリアンヌ様は目立ちますからね。王宮を歩いていればマクシミリアン様にも気がつかれるでしょうけど……。何かあったのですか?」
何かっていうと別にそんな大した事があったわけ、じゃないけれど……。
とにかく精神的な問題?
あたしの中のみーこが、彼のこと嫌ってるっていったらいいのかな?
「ごめんなさい。何かあったというよりも、わたくしあの方が苦手なので……。できればお会いしたくなくて……」
あたしがあんまり困った顔をしていたからか、助け舟を出してくれたのかな?
「では……。もしよろしければこれをお使いください」
と、横からフェリスさま、ブローチみたいのを出して。
「まあ。魔除のブローチですわね?」
「ええ。本来弱い魔獣を避けるための魔道具ではありますが、この魔道具による認識阻害は人にもある程度有効ではあります。魔力の強いものには効果がないですし、重要地点にはアンチマジックの魔法陣が組み込まれたフィールドがありますからそういった場所では全く機能はしませんが」
「廊下を歩いている間くらいは周囲の人に気にされなくなる、程度の効力はありますわね」
と、レティーナ様も。
「ええ。それに、魔道具を起動させるため、マナのコントロール訓練にもなります」
ああ、なんだかちょうどいいのかも?
「宜しいのですか? 頂いても」
「ええ」
あたしがそのブローチを受け取ると、彼の顔がふわっと笑顔になった。
ちょっとキュンってしちゃったのは内緒、だ。
ここってもしかして、マリアクエストの舞台なの??
(マリアクエスト……、なんか似てますねー)
でしょでしょ? あたしも結局やり始めたばっかりでストーリーほとんどわかんないんだけど。
(平民の女の子が主役ですか……)
うんうん。そうなの。
初等教育を終え魔道士の塔で聖女修行を始めるところからのスタート。
確か最初は見習い聖女として騎士団に随行して魔獣の森に行くところからクエストが始まって……。
そういえば。
あたしとマリアンヌは記憶を共有してるけど、お互い経験したことのない記憶なんかすぐには思い出せないので。
こうして二人で会話してるとなんとなくわかってきたりするんだけどね?
会話して出てきたキーワードにイメージがかぶさるって感じ?
「それでは私はこれで。マリアンヌ嬢、次にこちらに来られる時はもう少し普通な装いでお願いしますね」
あうあう。フェリスさまに念押しされちゃった。
でもほんと、どうしよう?
王宮の入り口まではお母様と一緒にきたんだよね。お母様は王妃さまに会いに行ったからそこで無理やり別れたけど。
でも、変装したままじゃ一人で王宮の入り口も通れなかったってことかもだし。
「わたくし、王子様にお会いしたく無くって。わからないように変装していたのです……」
そう、ちょっとしょぼーんとして言った。
変装できないとほんと困っちゃう。
「確かにマリアンヌ様は目立ちますからね。王宮を歩いていればマクシミリアン様にも気がつかれるでしょうけど……。何かあったのですか?」
何かっていうと別にそんな大した事があったわけ、じゃないけれど……。
とにかく精神的な問題?
あたしの中のみーこが、彼のこと嫌ってるっていったらいいのかな?
「ごめんなさい。何かあったというよりも、わたくしあの方が苦手なので……。できればお会いしたくなくて……」
あたしがあんまり困った顔をしていたからか、助け舟を出してくれたのかな?
「では……。もしよろしければこれをお使いください」
と、横からフェリスさま、ブローチみたいのを出して。
「まあ。魔除のブローチですわね?」
「ええ。本来弱い魔獣を避けるための魔道具ではありますが、この魔道具による認識阻害は人にもある程度有効ではあります。魔力の強いものには効果がないですし、重要地点にはアンチマジックの魔法陣が組み込まれたフィールドがありますからそういった場所では全く機能はしませんが」
「廊下を歩いている間くらいは周囲の人に気にされなくなる、程度の効力はありますわね」
と、レティーナ様も。
「ええ。それに、魔道具を起動させるため、マナのコントロール訓練にもなります」
ああ、なんだかちょうどいいのかも?
「宜しいのですか? 頂いても」
「ええ」
あたしがそのブローチを受け取ると、彼の顔がふわっと笑顔になった。
ちょっとキュンってしちゃったのは内緒、だ。