異世界猫。王子様から婚約破棄されましたが、実は聖女だったのでまったりもふもふ優しく騎士様に愛されます
「ごめんなさいね。貴女がそうういう状況だと分かっていたのに、わたくしはその解決策に聖女の修行を勧めました。貴女のその素質をもったいないって思ってしまったのですわ」
え?
って、聖女の修行は解決策、なんじゃないの?
なんだかそんな言い回し?
「貴女がその気になりさえすれば、きっとわたくし以上の聖女となれるかもしれない、と……」
あうあう。
「ごめんなさい、ありがとうございます。でも、聖女の修行、あたしの身体の解決策にはならないんですか?」
「完全にそうだというわけではないのですけれど。実はわたくし、貴女の身体の変化についての解決策を知っているのです。それを教えてあげさえすれば解決する事だったのに。それを黙ったまま貴女に聖女の修行を勧めていたので……」
しゅん、とするレティーナさま。
あうあう。
でも、まあね?
レティーナさまに教えて貰わなきゃどうしようもないって事だけは変わらないって事じゃない?
なら一緒かも?
「教えてください。聖女の修行は続けます。あたし、キュアがみえて嬉しいんです。不思議、だけど、この世界の魔法、すっごく興味あります。だから……。聖女になれるなら頑張ります。これからもよろしくお願いしますね」
あたしはそう、レティーナさまの手を取って。
「ありがとうございますマリカさん。マリアンヌさまも。こちらこそこれからよろしくお願いしますね」
レティーナさま、ちょっとほおを染めてそう返事をしてくれた。
あは。
なんだかかわいいな。
っていうか、ご高齢って話はほんとどこにいっちゃったんだろう?
どうみたってちょっと年上のお姉さんにしかみえないよ。
☆☆☆
「では、まずレイヤーの操作、マジカルレイヤーの魔法からお話ししましょうか」
侍女さんがお茶を入れてくれて。
それをゆっくり飲みながら、レティーナさまは口を開いた。
「マジカルレイヤー、ですか?」
「ええ。貴女の身体の変化に対しての解決策。そもそもその重なっているレイヤーを自由自在に操作してしまう、そんな魔法ですよ」
えー?
流石にそんな便利なものがあるのなら、助かるよね。
「んー。まずは実際に見てもらいましょうか」
そう言うとレティーナさま、お茶のカップをかちゃんとテーブルに戻し、その場で立ち上がった。
両手を広げて上に掲げ、目を閉じて。
口元がマジカルレイヤーと唱えたのがわかった。
そして。
彼女の両手から金色の粒子が溢れて出て、そのまま全身を包むように降り注ぐ。
まゆのように、濃く。
金色の膜に包まれたレティーナさま。
そして、
その幕の様にレティーナさまを包み込んでいた金色の粒子がぼやんと薄くなったかと思うと……。
現れたのは、ハンサムな男性だった。
長い金髪が背中まであるちょっと中性的な感じではあるけれど。
背も高くなって。すーっと鼻筋の通ったそのお顔。
面立ちはレティーナさまに似通った感じ。
着ていた白いキトンの衣装はそのままに、それまでの巫女の様なレティーナさまから、男性の聖職者風な感じに変わって。
「ちょっとね。こんな感じに変わってみたよ」
そう言ってウインクする彼女、ううん、彼。
「レティーナさま、ですか?」
あたしはちょっと呆然としてそんな台詞を呟くしかできなかった。
え?
って、聖女の修行は解決策、なんじゃないの?
なんだかそんな言い回し?
「貴女がその気になりさえすれば、きっとわたくし以上の聖女となれるかもしれない、と……」
あうあう。
「ごめんなさい、ありがとうございます。でも、聖女の修行、あたしの身体の解決策にはならないんですか?」
「完全にそうだというわけではないのですけれど。実はわたくし、貴女の身体の変化についての解決策を知っているのです。それを教えてあげさえすれば解決する事だったのに。それを黙ったまま貴女に聖女の修行を勧めていたので……」
しゅん、とするレティーナさま。
あうあう。
でも、まあね?
レティーナさまに教えて貰わなきゃどうしようもないって事だけは変わらないって事じゃない?
なら一緒かも?
「教えてください。聖女の修行は続けます。あたし、キュアがみえて嬉しいんです。不思議、だけど、この世界の魔法、すっごく興味あります。だから……。聖女になれるなら頑張ります。これからもよろしくお願いしますね」
あたしはそう、レティーナさまの手を取って。
「ありがとうございますマリカさん。マリアンヌさまも。こちらこそこれからよろしくお願いしますね」
レティーナさま、ちょっとほおを染めてそう返事をしてくれた。
あは。
なんだかかわいいな。
っていうか、ご高齢って話はほんとどこにいっちゃったんだろう?
どうみたってちょっと年上のお姉さんにしかみえないよ。
☆☆☆
「では、まずレイヤーの操作、マジカルレイヤーの魔法からお話ししましょうか」
侍女さんがお茶を入れてくれて。
それをゆっくり飲みながら、レティーナさまは口を開いた。
「マジカルレイヤー、ですか?」
「ええ。貴女の身体の変化に対しての解決策。そもそもその重なっているレイヤーを自由自在に操作してしまう、そんな魔法ですよ」
えー?
流石にそんな便利なものがあるのなら、助かるよね。
「んー。まずは実際に見てもらいましょうか」
そう言うとレティーナさま、お茶のカップをかちゃんとテーブルに戻し、その場で立ち上がった。
両手を広げて上に掲げ、目を閉じて。
口元がマジカルレイヤーと唱えたのがわかった。
そして。
彼女の両手から金色の粒子が溢れて出て、そのまま全身を包むように降り注ぐ。
まゆのように、濃く。
金色の膜に包まれたレティーナさま。
そして、
その幕の様にレティーナさまを包み込んでいた金色の粒子がぼやんと薄くなったかと思うと……。
現れたのは、ハンサムな男性だった。
長い金髪が背中まであるちょっと中性的な感じではあるけれど。
背も高くなって。すーっと鼻筋の通ったそのお顔。
面立ちはレティーナさまに似通った感じ。
着ていた白いキトンの衣装はそのままに、それまでの巫女の様なレティーナさまから、男性の聖職者風な感じに変わって。
「ちょっとね。こんな感じに変わってみたよ」
そう言ってウインクする彼女、ううん、彼。
「レティーナさま、ですか?」
あたしはちょっと呆然としてそんな台詞を呟くしかできなかった。