異世界猫。王子様から婚約破棄されましたが、実は聖女だったのでまったりもふもふ優しく騎士様に愛されます
 記憶に残る王子様はもうちょっとキラキラしてるような気もするけど。

 まあ、ただ、この国には王子様は一人っきりだ。ってことはあれはやっぱりマクシミリアン?

 まだジュディ王妃にお子ができる可能性がないわけじゃないけれど、今のところ側室のお子含め姫は何人かいるけど男の子はいないっていうのが正式発表。

 まあ王子が多くても諍いがありそうでふにゃぁだけど、少なくても王家が途絶えちゃうそうでふにゃぁだよね?

 まあ日本の皇室みたいに男系がどうこうっていう感じの世界は珍しいけどそれでも男系が変わればお家が変わるっていう雰囲気はある。

 お父様の親戚筋の話だけど、後継の男子がいなかった伯爵家で娘婿には爵位を継がす事ができないからって先に婿と養子縁組したんだって。そんな話聞いた記憶があるの。もちろんマリアンヌの記憶だけどさ。

 そういう話聞くとやっぱりこの世界も男性と女性には差があるんだなあってちょっとふにゃぁ。

 まあ地球の中世のキリスト教文化圏みたくガチガチじゃないところは良いのかもだけどね?



 そういえば、だけど。

 この世界の宗教は多神教だ。

 ギリシャ神話の世界に似てる?

 まず最高神がデウス。

 他に、アリオン、アルテミス、レヴィア、ニャルラトなどなど沢山の神々の名が並ぶ。

 ギアは神の子だって習ったけど、その神は最高神デウスの事みたいだけどね?

 火と戦いの神アリオン。

 夜と美の神アルテミス。

 水竜の神レヴィア。

 そして闇の神、ニャルラト。

 そんな神々が織りなす物語が子供の頃大好きだった。

 マリアンヌはそんな物語を語って聞かせてくれるお母様が大好きだったのだ。



 椅子に座っているうちに、なんだか眠くなっちゃってうとうとしちゃっていたら。

 ふいにガサガサって足音がした。


「ああ、今日は先客が居ましたか」

 そう、透き通るような声の、男の人がそこに現れた。
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