異世界猫。王子様から婚約破棄されましたが、実は聖女だったのでまったりもふもふ優しく騎士様に愛されます
ちょっと一瞬びっくりしたかのような顔のアリア。
でも、納得したのかきゅっと一度口をつぐんで、決意を固めたように話した。
「あたしは篠崎有亜です。やっぱり日本人でした」と。高2で雑誌モデルもしてましたってぼそっと付け足した。
はう。そういえば綺麗な顔してるよねとちょっと思ってから思いつく。
「え? あなた、アリマリのアリア?」
そう、間違いないよ。あたしが居た日本でよく見たモデルのアリマリ。アリアとマリアの双子モデルのアリアだよ。
でもちょっと待って、アリアってもう二十代だったよね?
「はい。そのアリマリのアリアです……」
ちょっと声が小さくなる彼女。芸能人にしてはなんだか自信なさげじゃない? 儚げ、な感じ?
ってそれよりも!
「あなた、何年の日本から来たの!?」
「はう。2015年ですけど……」
あうあう、やっぱり。
「あたし、2020年! アリマリはもう二十代だったよ!」
「えー?」
「五年も違うのかー。ほんとびっくりだよね?」
時間の概念が違うのかな?
「で、アリアはこの世界ではどんな娘になってるの?」
「どんな娘って?」
え?
もしかして、違うのかな?
「アリアさんは、アリアさんのままこの世界に迷い込んだみたいなんです。貴女と違って」
はう、そうなんだ!
「あたしはこの世界のマリアンヌって女の子と精神が重なって心だけこちらに来た感じ? アリアはそのまま異世界転移してきたってこと?」
「そう、みたい、です……」
「“会”によって世界が重なった時、何かの拍子で繋がった世界を転移してしまったのかもしれません、ね」
そういうこともあるんだね。ほんと驚いた。
でも。
だとしたら、彼女は元の世界に帰りたいよね?
あたしの場合はたぶん元の世界にもあたしがちゃんといるはず。
あの夢に見たのがあたしの半身。心があそこで分離しちゃったんだって、そんな自覚はある。
でもアリアは……。
あたしの世界、アリアの世界から五年後の世界にはちゃんとアリアが居た。
だったらアリアが帰らないと、アリアの居ない世界になっちゃうじゃない。それも困らない?
「アリアは元の世界に帰りたい?」
「はい。それはもちろんそうですけど……」
あーん、この子ったら何聞いてもこんな反応でちょっと焦ったい。
「帰りたいんだよね! だったら帰る方法探そ。うん、きっと帰れるよ。だって五年後の世界にはちゃんとアリアいたんだもん」
「はい……。ありがとうございます……」
そう言った彼女の瞳から涙がこぼれ落ちた。
でも、納得したのかきゅっと一度口をつぐんで、決意を固めたように話した。
「あたしは篠崎有亜です。やっぱり日本人でした」と。高2で雑誌モデルもしてましたってぼそっと付け足した。
はう。そういえば綺麗な顔してるよねとちょっと思ってから思いつく。
「え? あなた、アリマリのアリア?」
そう、間違いないよ。あたしが居た日本でよく見たモデルのアリマリ。アリアとマリアの双子モデルのアリアだよ。
でもちょっと待って、アリアってもう二十代だったよね?
「はい。そのアリマリのアリアです……」
ちょっと声が小さくなる彼女。芸能人にしてはなんだか自信なさげじゃない? 儚げ、な感じ?
ってそれよりも!
「あなた、何年の日本から来たの!?」
「はう。2015年ですけど……」
あうあう、やっぱり。
「あたし、2020年! アリマリはもう二十代だったよ!」
「えー?」
「五年も違うのかー。ほんとびっくりだよね?」
時間の概念が違うのかな?
「で、アリアはこの世界ではどんな娘になってるの?」
「どんな娘って?」
え?
もしかして、違うのかな?
「アリアさんは、アリアさんのままこの世界に迷い込んだみたいなんです。貴女と違って」
はう、そうなんだ!
「あたしはこの世界のマリアンヌって女の子と精神が重なって心だけこちらに来た感じ? アリアはそのまま異世界転移してきたってこと?」
「そう、みたい、です……」
「“会”によって世界が重なった時、何かの拍子で繋がった世界を転移してしまったのかもしれません、ね」
そういうこともあるんだね。ほんと驚いた。
でも。
だとしたら、彼女は元の世界に帰りたいよね?
あたしの場合はたぶん元の世界にもあたしがちゃんといるはず。
あの夢に見たのがあたしの半身。心があそこで分離しちゃったんだって、そんな自覚はある。
でもアリアは……。
あたしの世界、アリアの世界から五年後の世界にはちゃんとアリアが居た。
だったらアリアが帰らないと、アリアの居ない世界になっちゃうじゃない。それも困らない?
「アリアは元の世界に帰りたい?」
「はい。それはもちろんそうですけど……」
あーん、この子ったら何聞いてもこんな反応でちょっと焦ったい。
「帰りたいんだよね! だったら帰る方法探そ。うん、きっと帰れるよ。だって五年後の世界にはちゃんとアリアいたんだもん」
「はい……。ありがとうございます……」
そう言った彼女の瞳から涙がこぼれ落ちた。