異世界猫。王子様から婚約破棄されましたが、実は聖女だったのでまったりもふもふ優しく騎士様に愛されます
伝説の大魔法。
いつまでもアーサーにもふもふされつづけてるわけにもいかないので。
少し休んでなんとかマナが回復したので、あたしはマリカの姿に戻った。
アーサーったらなんだかすごく残念そうにこちらを見てるけど、ちょっと失礼じゃない? あたしより猫がいいの?
まあ、彼にもふられてるのは気持ち良かったのは事実なんだけどさ。それでもちょっと納得いかない。
「アーサーさまは人間のあたしじゃダメですか?」
そう上目遣いに聞いてみた。
すると。
「そんな事は無いよ? もちろん今のマリカもとっても可愛くて好きだよ」
にっこり微笑んでそうあっさり口にする彼。
あたしはかーっと顔が真っ赤になって。
恥ずかしさのあまり顔を両掌で覆ってそのまま蹲み込んでしまった。
団員の皆はみな軽傷で済んだのであたしの回復魔法は要らなかった。ポーションでなんとかなる程度。
流石に今の魔力だと苦しいからほんとよかったのだけど。
表立って聖女の仕事が出来てないことにちょっとふにゃぁ。騎士団のみんなからろくにお仕事もしないで! とか思われて無いかな、ちょっと不安だ。
「杞憂ですよマリカ。貴女がスネークドラゴンを倒した事は、たぶん殆どのメンバーが目撃したでしょうから」
あたしが、「あたし、お仕事してないって思われて無いかな不安です……」ってぼそっとつぶやいたのにすかさず反応して、アーサーがそう慰めてくれた。
でも。
そうなのかな?
ならいいけども。
エクスプロージョンっていうのはこの世界においての最大の攻撃魔法。ラギレス様が得意としたという伝説の大魔法だ。
全てのギアの権能を解放して放つエネルギーの奔流。
最大級であればこの世界そのものを壊してしまう程の威力があるという話で習得できる者も限られるという。
実際、今現在どの魔法使いもどの賢者も、そして大聖女様以外のどの聖女もこの魔法を行使することは不可能だ。
というのも、この世の、この空間と重なるように存在する次元に満遍なく住んでいるギアたち全てと心を通わす事が出来なければ、発動する事さえ不可能なのだから。
全ての属性のギアに選ばれた存在。
それが発動の条件になるって、そんなのまず不可能に近いよね?
あたしもそう思ってたんだけど、な。
あの時。
あたしの左眼が熱く熱を持ったように光りだして。
あたしの中のマナがそこに吸い出されるような感じがした。
エクスプロージョンの存在自体は本で習っただけで実際に使ってみたことも無ければ使えると思っていたわけでもなかったはずなのに。
何故かあの時は自然に、それが出来るような気がして。
心の中で叫んでた。
魔・ギア、解放! エクスプロージョン!
と。
威力的にはたぶん大賢者ラギレス様が使ったというそれとは比べものにならないくらい弱いものだったのだろうけどそれでも。
少し休んでなんとかマナが回復したので、あたしはマリカの姿に戻った。
アーサーったらなんだかすごく残念そうにこちらを見てるけど、ちょっと失礼じゃない? あたしより猫がいいの?
まあ、彼にもふられてるのは気持ち良かったのは事実なんだけどさ。それでもちょっと納得いかない。
「アーサーさまは人間のあたしじゃダメですか?」
そう上目遣いに聞いてみた。
すると。
「そんな事は無いよ? もちろん今のマリカもとっても可愛くて好きだよ」
にっこり微笑んでそうあっさり口にする彼。
あたしはかーっと顔が真っ赤になって。
恥ずかしさのあまり顔を両掌で覆ってそのまま蹲み込んでしまった。
団員の皆はみな軽傷で済んだのであたしの回復魔法は要らなかった。ポーションでなんとかなる程度。
流石に今の魔力だと苦しいからほんとよかったのだけど。
表立って聖女の仕事が出来てないことにちょっとふにゃぁ。騎士団のみんなからろくにお仕事もしないで! とか思われて無いかな、ちょっと不安だ。
「杞憂ですよマリカ。貴女がスネークドラゴンを倒した事は、たぶん殆どのメンバーが目撃したでしょうから」
あたしが、「あたし、お仕事してないって思われて無いかな不安です……」ってぼそっとつぶやいたのにすかさず反応して、アーサーがそう慰めてくれた。
でも。
そうなのかな?
ならいいけども。
エクスプロージョンっていうのはこの世界においての最大の攻撃魔法。ラギレス様が得意としたという伝説の大魔法だ。
全てのギアの権能を解放して放つエネルギーの奔流。
最大級であればこの世界そのものを壊してしまう程の威力があるという話で習得できる者も限られるという。
実際、今現在どの魔法使いもどの賢者も、そして大聖女様以外のどの聖女もこの魔法を行使することは不可能だ。
というのも、この世の、この空間と重なるように存在する次元に満遍なく住んでいるギアたち全てと心を通わす事が出来なければ、発動する事さえ不可能なのだから。
全ての属性のギアに選ばれた存在。
それが発動の条件になるって、そんなのまず不可能に近いよね?
あたしもそう思ってたんだけど、な。
あの時。
あたしの左眼が熱く熱を持ったように光りだして。
あたしの中のマナがそこに吸い出されるような感じがした。
エクスプロージョンの存在自体は本で習っただけで実際に使ってみたことも無ければ使えると思っていたわけでもなかったはずなのに。
何故かあの時は自然に、それが出来るような気がして。
心の中で叫んでた。
魔・ギア、解放! エクスプロージョン!
と。
威力的にはたぶん大賢者ラギレス様が使ったというそれとは比べものにならないくらい弱いものだったのだろうけどそれでも。