異世界猫。王子様から婚約破棄されましたが、実は聖女だったのでまったりもふもふ優しく騎士様に愛されます
マリアンヌのマリカ。
お昼をご一緒しましょうとジュディ王妃に食事を誘われたのだけれど、あたしは塔に用事があるのでと断って。
お母様だけが残ることに。
レイスの奥底に沈んでいるとはいえマリカの感情はここまで溢れてきている。
流石にもうこれ以上、アンジェリカと一緒に居るのが辛いのだ。
諦めなくちゃいけない。そう考えるのが辛い。
とりあえず塔に行って頭を冷やそう。そう思って。
一人で廻廊に出てからちょっと考える。塔に行くのならマリカの方がいいよね?
少なくとも見かけだけでもね。
なので塔へ続く廻廊の途中にあるお手洗いにサッと入ってそこでマリカにレイヤーチェンジした。
ああ。そういえば。
このレイヤーチェンジはわたくしとあたし、マリアンヌと茉莉花の心をチェンジするスイッチにはなっているけれども、だからといってマリカは茉莉花じゃないと、とか、マリアンヌはわたくしじゃないと、とか、そういうわけでもない。
マリアンヌのあたしがマリカの格好で、というのももちろんありなのだ。
(いい加減出てこない?)
そう何度か呼びかけてみたけど今日はダメみたい。
しょうがないので塔へ行くのもマリアンヌのあたしがマリカの格好で行くことになったのだった。
まあ。ちょっと新鮮。
今日着てきたのは黒と白のドレス。侍女っぽくする感じに地味目のドレスだからそのまま塔に行っても大丈夫かな。
そんなこと考えながら歩く。
廻廊の床に敷き詰められた白いレンガがカツカツと鳴るのが耳に響いていた。
☆☆☆
エレベーターを最上階まで上がるとそこにはちょうどアリアとフェリスさまがいた。
何かを話してた風な感じ?
「こんにちわ」
あたしがそう声をかけると二人とも気がついてくれた。
「ああマリカ、ちょうどよかった」
「マリカさんこんにちわ。今日は用事があるって仰ってたのに、もういいんです?」
「うん。アリア。あたしの野暮用終わったから、ちょっときてみたの。フェリス様? ちょうど良かったって何かありました?」
「アリアが魔の森に行きたいって言うんだよ。先日魔獣を討伐したとはいえ、あそこは危険だからって話してたんだけどね」
「ああマリカ。あたし図書館で大魔導師イクシア様が書かれた書物を読んでて、発見したことがあったんです! だから……」
「それが魔の森に行く理由?」
もしかしたら、もとの世界と関係のあることでも書いてあった?
「そうなんです。だから……」
「そっか。じゃぁ、あたし一緒に行ってあげるから」
「ありがとうマリカさん!」
そう言ってあたしの手を握るアリア。
うん。ちょっとアーサーの事は忘れよう。とりあえずアリアをもと世界に返してあげる方法をさがさなくっちゃね。
お母様だけが残ることに。
レイスの奥底に沈んでいるとはいえマリカの感情はここまで溢れてきている。
流石にもうこれ以上、アンジェリカと一緒に居るのが辛いのだ。
諦めなくちゃいけない。そう考えるのが辛い。
とりあえず塔に行って頭を冷やそう。そう思って。
一人で廻廊に出てからちょっと考える。塔に行くのならマリカの方がいいよね?
少なくとも見かけだけでもね。
なので塔へ続く廻廊の途中にあるお手洗いにサッと入ってそこでマリカにレイヤーチェンジした。
ああ。そういえば。
このレイヤーチェンジはわたくしとあたし、マリアンヌと茉莉花の心をチェンジするスイッチにはなっているけれども、だからといってマリカは茉莉花じゃないと、とか、マリアンヌはわたくしじゃないと、とか、そういうわけでもない。
マリアンヌのあたしがマリカの格好で、というのももちろんありなのだ。
(いい加減出てこない?)
そう何度か呼びかけてみたけど今日はダメみたい。
しょうがないので塔へ行くのもマリアンヌのあたしがマリカの格好で行くことになったのだった。
まあ。ちょっと新鮮。
今日着てきたのは黒と白のドレス。侍女っぽくする感じに地味目のドレスだからそのまま塔に行っても大丈夫かな。
そんなこと考えながら歩く。
廻廊の床に敷き詰められた白いレンガがカツカツと鳴るのが耳に響いていた。
☆☆☆
エレベーターを最上階まで上がるとそこにはちょうどアリアとフェリスさまがいた。
何かを話してた風な感じ?
「こんにちわ」
あたしがそう声をかけると二人とも気がついてくれた。
「ああマリカ、ちょうどよかった」
「マリカさんこんにちわ。今日は用事があるって仰ってたのに、もういいんです?」
「うん。アリア。あたしの野暮用終わったから、ちょっときてみたの。フェリス様? ちょうど良かったって何かありました?」
「アリアが魔の森に行きたいって言うんだよ。先日魔獣を討伐したとはいえ、あそこは危険だからって話してたんだけどね」
「ああマリカ。あたし図書館で大魔導師イクシア様が書かれた書物を読んでて、発見したことがあったんです! だから……」
「それが魔の森に行く理由?」
もしかしたら、もとの世界と関係のあることでも書いてあった?
「そうなんです。だから……」
「そっか。じゃぁ、あたし一緒に行ってあげるから」
「ありがとうマリカさん!」
そう言ってあたしの手を握るアリア。
うん。ちょっとアーサーの事は忘れよう。とりあえずアリアをもと世界に返してあげる方法をさがさなくっちゃね。