異世界猫。王子様から婚約破棄されましたが、実は聖女だったのでまったりもふもふ優しく騎士様に愛されます
気がついた時。
身体をギュッと抱き締められている感触。
はっと目を開けるとそこにはアップなアリアの顔があった。
って、あたしアリアに抱きしめられてる?
涙を浮かべこちらを見つめるアリアのそのピンクの唇が開いた。
「マリカさん! よかった気がついた……」
「あたし——」
どうしたのって言いかけて思い出した。
あたし、負けたのだ。紅竜クリムゾンの尻尾にやられて。
で、も。
「アリアが治癒魔法使ってくれたの?」
身体の中にまだキュアが残っているのが感じられる。
「ええ。でも、まだ無理は禁物です……」
「みんなは!?」
アリアの背中にはあたしとおんなじアウラの羽が生えていた。
あたし達はたぶんかなりの上空まで上がってきているみたい。空気、薄い。
「ドラコに託してきましたけど……。たぶん防戦一方かもです……」
「ごめんねアリア。迷惑かけたね」
あたしはあたしを抱きしめて空を飛んでいるアリアを抱きしめ返し、そのほおに頬擦りして。
でもごめん。無理は承知。でも。行かなきゃ!
「ありがとうアリア。あたし、行かなきゃ。戦いに」
「ダメです! まだキュアが治療中ですよ!」
「でも! このままみんなをほおっておけないよ!」
眼下に見える海岸線。
そこに見える紅い竜と銀色の竜。
赤い竜が真っ赤に輝くエネルギーの塊のようなものをその手に出現させ。
そしてそれは瞬く間に真っ赤な大きな光球、熱球になった。
ああ、ここまでその熱が伝わってくる。
だめだ、あんなもの放たれたら……。
と、考えている刹那に紅竜はその熱球を真竜エレメンタルクリスタル、ドラコに向かって放った。
ドラコは、どうやら辛うじてその障壁で熱球を防ぎ。
熱球は、そのまま海岸に落ちた。
海と大地の境目が一瞬で蒸発し、周囲が熱気と水蒸気に包まれる。
「ああああ……」
みんなは! ドラコは!?
水蒸気はあたし達のいるこの上空まで巻き上がり、視界は完全にモヤに遮られた。
あああ……。いくらドラコの魔法障壁で塞いだとしてもあの熱気、熱量だ。みんなが無事かどうか……。
「アリアごめん! あたし、いくよ!」
あたしはそう言うとアリアの腕の中から強引にドラコのいる場所まで跳んだ。転移した。
身体をギュッと抱き締められている感触。
はっと目を開けるとそこにはアップなアリアの顔があった。
って、あたしアリアに抱きしめられてる?
涙を浮かべこちらを見つめるアリアのそのピンクの唇が開いた。
「マリカさん! よかった気がついた……」
「あたし——」
どうしたのって言いかけて思い出した。
あたし、負けたのだ。紅竜クリムゾンの尻尾にやられて。
で、も。
「アリアが治癒魔法使ってくれたの?」
身体の中にまだキュアが残っているのが感じられる。
「ええ。でも、まだ無理は禁物です……」
「みんなは!?」
アリアの背中にはあたしとおんなじアウラの羽が生えていた。
あたし達はたぶんかなりの上空まで上がってきているみたい。空気、薄い。
「ドラコに託してきましたけど……。たぶん防戦一方かもです……」
「ごめんねアリア。迷惑かけたね」
あたしはあたしを抱きしめて空を飛んでいるアリアを抱きしめ返し、そのほおに頬擦りして。
でもごめん。無理は承知。でも。行かなきゃ!
「ありがとうアリア。あたし、行かなきゃ。戦いに」
「ダメです! まだキュアが治療中ですよ!」
「でも! このままみんなをほおっておけないよ!」
眼下に見える海岸線。
そこに見える紅い竜と銀色の竜。
赤い竜が真っ赤に輝くエネルギーの塊のようなものをその手に出現させ。
そしてそれは瞬く間に真っ赤な大きな光球、熱球になった。
ああ、ここまでその熱が伝わってくる。
だめだ、あんなもの放たれたら……。
と、考えている刹那に紅竜はその熱球を真竜エレメンタルクリスタル、ドラコに向かって放った。
ドラコは、どうやら辛うじてその障壁で熱球を防ぎ。
熱球は、そのまま海岸に落ちた。
海と大地の境目が一瞬で蒸発し、周囲が熱気と水蒸気に包まれる。
「ああああ……」
みんなは! ドラコは!?
水蒸気はあたし達のいるこの上空まで巻き上がり、視界は完全にモヤに遮られた。
あああ……。いくらドラコの魔法障壁で塞いだとしてもあの熱気、熱量だ。みんなが無事かどうか……。
「アリアごめん! あたし、いくよ!」
あたしはそう言うとアリアの腕の中から強引にドラコのいる場所まで跳んだ。転移した。