異世界猫。王子様から婚約破棄されましたが、実は聖女だったのでまったりもふもふ優しく騎士様に愛されます
あたし……、は……。
「あたしはマリアンヌ! マリアンヌ・ヴァリエラント!」
「ううん。そういうこと、聞いてない」
は?
「あんたが誰って聞いたんじゃない!」
「人の固有名詞? そんなものを聞きたいわけじゃない」
「だったらなんだってのよ!」
あたしは、恐怖? 怒り? そん感情に呑まれたまま、ドラゴンバスタードを構えてその少女に切り掛かった。
でも。
彼女はその右手をちょっとあげただけで、その掌の先に次元の障壁を作り上げて。
そのままふわんとあたしの剣を受け止めるように防ぐ。
う、く。
掴まれた剣が動かない。
「えーい!」
アリアが降下してきそのままその少女にキック? しようとしたんだけど……。
「ひゃう!」
左手でそのまま足を掴まれ、背後に投げられた。
「アリア!」
うー、このう!
あたしは動かなくなったドラゴンバスタードから手を離し、そして。
左手の指先に力を込める。
左目のクリソベリルキャッツアイにマナが集まって。
その収束したマナがあたしの指先から迸った!
「エクスプロージョン!」
光が、収束したレイザーのような光線があたしの指先から放たれその少女に向かう!
「ムダだよ?」
その光は少女、アウラ・クリムゾンの身体を素通りし、遥か彼方まで届き、そしてそこで爆発を巻き起こした。
え?
流石にエクスプロージョンが通じないとは思ってなかったあたし。
あたしのとっておきなのに!
そりゃあ、文献にあるエンペラー級、エターナル級、そんなこの世界ごと壊しちゃいそうな威力ではないけど、でも……。
「うんごめん。わたしはアウラ。アウラ・クリムゾン。最上級の魔・ギア、アウラ・クリムゾンだから。あなたの持つアウラ・フェザーじゃわたしの次元操作には追いつけないよ?」
「そんな……」
ああ。あたしは彼女には勝てないの? このまま、やられちゃうの?
絶望と恐怖、ううん、恐怖はさほど増えてない。
絶望。かなやっぱり。
そんな感情に飲まれそうになったところで彼女が続けた。
「やっぱり面白いよね? その器の大きさには驚愕だ。中にいくつ魔・ギアがいる? みんな、あなたの中が気持ちいいのかな?」
え?
「ねえ、ドラゴン・オプスニル。あんたもそうなの? この子がいいの?」
「キュウ!」
はう! あたしの右手の甲に嵌まった竜玉。これってドラコ? ドラゴン・オプスニルがそう声を出した?
「あは。じゃぁわたしもあなたでいいや。ねえ、わたしもあなたの中、入ってもいい?」
はう!
「あたしの中に?」
「わたし、あなたを選んだの。魔・ギア アウラ・クリムゾンはあなたラギレスのレイスを主に選ぶよ!」
そう言うと。
あたしの返事なんか待ちもしないでそのアウラ・クリムゾンは光の塊になってあたしの胸に吸い込まれるように潜っていった。
「あたしはマリアンヌ! マリアンヌ・ヴァリエラント!」
「ううん。そういうこと、聞いてない」
は?
「あんたが誰って聞いたんじゃない!」
「人の固有名詞? そんなものを聞きたいわけじゃない」
「だったらなんだってのよ!」
あたしは、恐怖? 怒り? そん感情に呑まれたまま、ドラゴンバスタードを構えてその少女に切り掛かった。
でも。
彼女はその右手をちょっとあげただけで、その掌の先に次元の障壁を作り上げて。
そのままふわんとあたしの剣を受け止めるように防ぐ。
う、く。
掴まれた剣が動かない。
「えーい!」
アリアが降下してきそのままその少女にキック? しようとしたんだけど……。
「ひゃう!」
左手でそのまま足を掴まれ、背後に投げられた。
「アリア!」
うー、このう!
あたしは動かなくなったドラゴンバスタードから手を離し、そして。
左手の指先に力を込める。
左目のクリソベリルキャッツアイにマナが集まって。
その収束したマナがあたしの指先から迸った!
「エクスプロージョン!」
光が、収束したレイザーのような光線があたしの指先から放たれその少女に向かう!
「ムダだよ?」
その光は少女、アウラ・クリムゾンの身体を素通りし、遥か彼方まで届き、そしてそこで爆発を巻き起こした。
え?
流石にエクスプロージョンが通じないとは思ってなかったあたし。
あたしのとっておきなのに!
そりゃあ、文献にあるエンペラー級、エターナル級、そんなこの世界ごと壊しちゃいそうな威力ではないけど、でも……。
「うんごめん。わたしはアウラ。アウラ・クリムゾン。最上級の魔・ギア、アウラ・クリムゾンだから。あなたの持つアウラ・フェザーじゃわたしの次元操作には追いつけないよ?」
「そんな……」
ああ。あたしは彼女には勝てないの? このまま、やられちゃうの?
絶望と恐怖、ううん、恐怖はさほど増えてない。
絶望。かなやっぱり。
そんな感情に飲まれそうになったところで彼女が続けた。
「やっぱり面白いよね? その器の大きさには驚愕だ。中にいくつ魔・ギアがいる? みんな、あなたの中が気持ちいいのかな?」
え?
「ねえ、ドラゴン・オプスニル。あんたもそうなの? この子がいいの?」
「キュウ!」
はう! あたしの右手の甲に嵌まった竜玉。これってドラコ? ドラゴン・オプスニルがそう声を出した?
「あは。じゃぁわたしもあなたでいいや。ねえ、わたしもあなたの中、入ってもいい?」
はう!
「あたしの中に?」
「わたし、あなたを選んだの。魔・ギア アウラ・クリムゾンはあなたラギレスのレイスを主に選ぶよ!」
そう言うと。
あたしの返事なんか待ちもしないでそのアウラ・クリムゾンは光の塊になってあたしの胸に吸い込まれるように潜っていった。