一夜限りの恋人は敵対企業のCEO⁈【後日談有】

「素直な玲奈も可愛いね」

　嬉しそうな声で言われて、額にキスをされた。
　ちゅ……という音と同時に訪れる、濡れた感触と幸せな気持ち。
　嬉しくて、すり寄ればこれでもかと力強く抱きしめてくれる。

「穣は優男のくせに頑固だからな。返すと言っても受け取らないだろう。僕から、玲奈への婚約した記念のプレゼントにしようかな」
「え？」

　抱き起こされ、ベッドに座らされた。
　裸のままネイトが床にひざまづき、首からペンダントを外す。
　私の左手をとると薬指にはめてくれた。

「Rena, I love you. Married me」

　私がきょとんとしてると、ネイトは恥ずかしげに咳をし。

「Rena, ich liebe dich. Willst du mich heiraten?」

　英語、ドイツ語でそれぞれ言ってくれる。
　勿論、私もそれぞれの言葉で「愛してる。私も貴方と結婚したい」と答えた。