一夜限りの恋人は敵対企業のCEO⁈【後日談有】
 私が読んでいる間に、ネイトがタブレットで動画サイトを検索し室内の画像が出回ってないことを確認した。
 けれど私は、唇を噛み締めて声を出さないのが精一杯だった。

 ネイトは労るようにキスをくれた。
 自分の唇に指を当てると、お兄様あてにメールを打つ。

『Eavesdropped(盗聴されている)』
『Roger that(了解)』

 お兄様からの返事が来るあいだに、ネイトは長文を打ち込んでいた。
 私たちが出会った経緯や競合会社を制裁したことを、お兄様に説明しているのだろう。

 長い沈黙の末。
 ようやくネイトの携帯が光った。

『Nate. You swear that you have justice?
(ネイト。おまえの上に正義があると誓えるか)』

『I swear to my most important Rena
(僕の一番大事な玲奈に誓う)』
 
 私の頬が熱くなった。
 照れる。
 日本語より外国語のほうがストレート、かつ気障に思えるのは、私の語学力がまだまだだからかな。
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