一夜限りの恋人は敵対企業のCEO⁈【後日談有】
 私が望めば。
 ネイトとのことが公になれば、私は互いの安全のために、家族と行き来出来なくなる。
 けれど彼は私にとって『大当たりの格差婚』の相手だから、家族は彼と結ばれるのを許してくれるはず。

 ……でも、私の家族はどうするの。
 あ。
 初めてお父様や叔父様の過保護さに感謝した。
 二人は、多賀見ですら誘拐や恐喝の対象になりえることを知っていた。
 実家なら大丈夫。
 あの家にいればお祖母様たちは安全だし、ネイトも守ってくれる。

 かといって、守られるばかりではだめ。護衛術を習うのが正解?
 少なくとも、ボディーガードとの連携は練習しなくちゃ。
 問題ない。
 私はオーケストラの一員だもの、共同作業は得意なの。

 私があれこれ考えていたら、スタッフがとんでもないことを言い出した。

「Until then, it's safer to make them think of you as a playmate during your stay.
(それまでは、今までのように滞在中の遊び相手と思わせておくほうが安全だ)」

 むむ、とネイトが口をつぐむ。
 スタッフが冷静で良かったー、どころじゃない!
 遊び相手?
 今までのように?
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