一夜限りの恋人は敵対企業のCEO⁈【後日談有】
「この重さ、いくらあるのー! 怖い、無理っ」
私が指から外そうとすると、ネイトが私の手を握りこんできた。
「落ち着け、玲奈! 重いと言ったところで、せいぜい百グラムだ。大体、この僕が愛する女性に、なぜこの指輪を渡すと思う。ヴューラー家に伝わる家宝だからだ!」
わ、私の相場では百万円の指輪でも怖いわよ。
「僕が外出した隙に持って帰ったくせに! 外すということは、僕との婚約を破棄したいのか!」
恐ろしい顔で迫られましてもっ。
「別れるわけないでしょ、愛してるんだからっ」
「だったら」
「それとこれとは別! 持って帰ったのは、指輪が欲しかったんじゃなくて、ネイトとの思い出がほしかっただけ!」
私が涙目になってるのに、なぜかネイトは真っ赤になった顔に手を当てて天を仰ぎ。
スタッフはそんな彼の背中や肩をバンバン叩いた。
「き、傷ついてるけど。アンティークだろうなとは思ったけど、色がくすんでたから真鍮だと思ったの。純金だと知ってたらホテルのフロントに預けたしっ。いやぁ、怖い、取ってぇー!」
ネイトはふう、と大きく息を吐きだすと、ジタバタしている私をかかえこんだ。
私が指から外そうとすると、ネイトが私の手を握りこんできた。
「落ち着け、玲奈! 重いと言ったところで、せいぜい百グラムだ。大体、この僕が愛する女性に、なぜこの指輪を渡すと思う。ヴューラー家に伝わる家宝だからだ!」
わ、私の相場では百万円の指輪でも怖いわよ。
「僕が外出した隙に持って帰ったくせに! 外すということは、僕との婚約を破棄したいのか!」
恐ろしい顔で迫られましてもっ。
「別れるわけないでしょ、愛してるんだからっ」
「だったら」
「それとこれとは別! 持って帰ったのは、指輪が欲しかったんじゃなくて、ネイトとの思い出がほしかっただけ!」
私が涙目になってるのに、なぜかネイトは真っ赤になった顔に手を当てて天を仰ぎ。
スタッフはそんな彼の背中や肩をバンバン叩いた。
「き、傷ついてるけど。アンティークだろうなとは思ったけど、色がくすんでたから真鍮だと思ったの。純金だと知ってたらホテルのフロントに預けたしっ。いやぁ、怖い、取ってぇー!」
ネイトはふう、と大きく息を吐きだすと、ジタバタしている私をかかえこんだ。