一夜限りの恋人は敵対企業のCEO⁈【後日談有】
「玲奈ちゃん」
「うーん?」
「お茶しない?」
「するするー」
待つほどもなく、ひかるちゃんが野点の用意を始めてくれた。
といっても、緋毛氈ではなくレジャーシート。
お湯を沸かすのは火鉢ではなく、アウトドア用のガスバーナーと鍋。
それからキャンパー御用達の野点セット。
コンパクトながら茶器二つに、茶筅、茶杓、抹茶の容器も入る収納バッグ付き。
誕生日に贈って以来、ひかるちゃんは愛用してくれている。
初めてシートとガスバーナーを持ち出されたときは、お祖母様の野点しか知らないからびっくりした。
けれど今となっては、自然により近い気がする。
彼女のお茶は、最高に美味しい。
ひかるちゃんは堂にいった手つきで茶を点ててくれたあと、翡翠色のお抹茶と有名な和菓子を一緒に出してくれた。
「これって」
彼女が片思いしてる相手に隣接している、ショッピングモール内の和菓子屋さん。
そこが発売している期間限定品!
「きゃああっ! 素敵女子が狙ってる極上スウィーツぅ! ひかるちゃんが女神様に見えるよーっ」
「ふっふっふ。崇め奉っていいからね!」
鼻高々になり肩をそびやかせているひかるちゃん、年上なのに可愛い。
私は、ははーっと言いながらレジャーシートに手をついた。
目を見かわして、二人でぷっと笑い合う。
彼女がずっとニコニコしているところを見ると、デートは成功したのだろう。
……正確には、デートの相手は庭だけど。
ふと。
「ひかるちゃんと恋バナしたいなあ」
ぽろりとこぼれ落ちた。
「えー?」
「なんでもない」
誰かに、モヤモヤしている気持ちをわかってほしかった。
「うーん?」
「お茶しない?」
「するするー」
待つほどもなく、ひかるちゃんが野点の用意を始めてくれた。
といっても、緋毛氈ではなくレジャーシート。
お湯を沸かすのは火鉢ではなく、アウトドア用のガスバーナーと鍋。
それからキャンパー御用達の野点セット。
コンパクトながら茶器二つに、茶筅、茶杓、抹茶の容器も入る収納バッグ付き。
誕生日に贈って以来、ひかるちゃんは愛用してくれている。
初めてシートとガスバーナーを持ち出されたときは、お祖母様の野点しか知らないからびっくりした。
けれど今となっては、自然により近い気がする。
彼女のお茶は、最高に美味しい。
ひかるちゃんは堂にいった手つきで茶を点ててくれたあと、翡翠色のお抹茶と有名な和菓子を一緒に出してくれた。
「これって」
彼女が片思いしてる相手に隣接している、ショッピングモール内の和菓子屋さん。
そこが発売している期間限定品!
「きゃああっ! 素敵女子が狙ってる極上スウィーツぅ! ひかるちゃんが女神様に見えるよーっ」
「ふっふっふ。崇め奉っていいからね!」
鼻高々になり肩をそびやかせているひかるちゃん、年上なのに可愛い。
私は、ははーっと言いながらレジャーシートに手をついた。
目を見かわして、二人でぷっと笑い合う。
彼女がずっとニコニコしているところを見ると、デートは成功したのだろう。
……正確には、デートの相手は庭だけど。
ふと。
「ひかるちゃんと恋バナしたいなあ」
ぽろりとこぼれ落ちた。
「えー?」
「なんでもない」
誰かに、モヤモヤしている気持ちをわかってほしかった。