一夜限りの恋人は敵対企業のCEO⁈【後日談有】
呆然と彼に見入ってたら、お父様がうろたえた声を出した。
「玲奈、この方が言っていたことは本当か?」
「彼はお父様に、なんて言ったの?」
私の質問に、ネイト自身が答える。
「彼女は僕を誰だか知った上で近づき、家宝を奪っていったんだと」
あまりの言葉にカッとなった。
彼の胸に両手をついて距離を取ろうとしたら、かえって抱き込まれてしまった。
「偽名を使ってたのは貴方のほうでしょう? ふざけないで!」
「ふざけているのは君だ。僕がドイツ語を話せること。あのホテルが日本での僕の定宿であることや、僕の趣味がピアノ演奏だということは、調べればすぐにわかる」
……CEO個人については、記事をときおり拾う程度で迂闊にも調べてなかった。
勿論、クロフォードの薬品関連のページについては、まめにチェックしてる。
『企画営業もいいが、玲奈にはマーケティング部や企業調査部も向いてるんじゃないか?』
からかわれるほど、普段の私はリサーチ魔……なんだけど。
CEOなんて、代替わりした時とか大幅な経営方針の転換の時くらいしか確認してない。
「玲奈、この方が言っていたことは本当か?」
「彼はお父様に、なんて言ったの?」
私の質問に、ネイト自身が答える。
「彼女は僕を誰だか知った上で近づき、家宝を奪っていったんだと」
あまりの言葉にカッとなった。
彼の胸に両手をついて距離を取ろうとしたら、かえって抱き込まれてしまった。
「偽名を使ってたのは貴方のほうでしょう? ふざけないで!」
「ふざけているのは君だ。僕がドイツ語を話せること。あのホテルが日本での僕の定宿であることや、僕の趣味がピアノ演奏だということは、調べればすぐにわかる」
……CEO個人については、記事をときおり拾う程度で迂闊にも調べてなかった。
勿論、クロフォードの薬品関連のページについては、まめにチェックしてる。
『企画営業もいいが、玲奈にはマーケティング部や企業調査部も向いてるんじゃないか?』
からかわれるほど、普段の私はリサーチ魔……なんだけど。
CEOなんて、代替わりした時とか大幅な経営方針の転換の時くらいしか確認してない。