一夜限りの恋人は敵対企業のCEO⁈【後日談有】
「こじれっぷりも世界レベルだな。やれやれだ」
お父様。
『若い者同士、好きにしなさい』みたいに言われると、しらけるというか。悲劇のヒロインぶってた自分が恥ずかしくなるというか、……ね?
お父様は私を見てネイトを見て、左右に首を振ってから、ふうううう……と息を吐き出した。
しっかりとネイトを見据える。
「いいだろう。ミスター、君にウチの株と玲奈を預けよう」
「……なぜ、貴方が『譲歩してやる』という表現をするんだ?」
やり方はどうであれ、この場合ネイトのほうが正しい主張な気がする。
「私はね、子供たちを目の中に入れたら、痛いからやらないけど。ポケットの中に入れて持ち運びたいくらいには、愛してるんだよ」
……慣用句になってない。
「穣は君に我が社の株を預けるくらい、君を信頼しているんだろう? そして君も穣に友情を感じている」
そうだ。
お兄様は、簡単に株を渡すような人じゃない。
ネイトも……、お兄様を裏切るような人じゃないと思いたい。
一夜限りでも、思いを重ねた男だから。
お父様。
『若い者同士、好きにしなさい』みたいに言われると、しらけるというか。悲劇のヒロインぶってた自分が恥ずかしくなるというか、……ね?
お父様は私を見てネイトを見て、左右に首を振ってから、ふうううう……と息を吐き出した。
しっかりとネイトを見据える。
「いいだろう。ミスター、君にウチの株と玲奈を預けよう」
「……なぜ、貴方が『譲歩してやる』という表現をするんだ?」
やり方はどうであれ、この場合ネイトのほうが正しい主張な気がする。
「私はね、子供たちを目の中に入れたら、痛いからやらないけど。ポケットの中に入れて持ち運びたいくらいには、愛してるんだよ」
……慣用句になってない。
「穣は君に我が社の株を預けるくらい、君を信頼しているんだろう? そして君も穣に友情を感じている」
そうだ。
お兄様は、簡単に株を渡すような人じゃない。
ネイトも……、お兄様を裏切るような人じゃないと思いたい。
一夜限りでも、思いを重ねた男だから。