一夜限りの恋人は敵対企業のCEO⁈【後日談有】
 指を入れたのだろう、あの日みたいに乱れた髪。
 真剣にパソコンに見入ってる姿はストイックで、ときめいてしまう。

 見ちゃいけない。
 視線が彼の顔に固定されるまえに、慌てて動かしたらさらにまずくなった。

 ネクタイを緩めてくつろげた喉。
 さらには広げられた襟元から分厚い胸がチラ見出来てしまい、心臓に悪い。

 明らかに彼の寸法で作られたボトムは座っているので、ほどよく張り詰めている。
 背もたれに寄り掛かり、深く腰掛けているのに足がテーブルに触れている。

 うう、カッコいい。

 裸足になって、片足をソファに上げている姿が無防備で、少年みたい。
 ドッキドキと心臓がうるさい。
 これ以上高鳴れば、ネイトに聴こえてしまいそう。
 私は彼から押し寄せてくる色気から、必死に目を逸らした。
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