一夜限りの恋人は敵対企業のCEO⁈【後日談有】
「仮想ブラウザを立ち上げた。そのタブレットは他の回線をシャットダウンしている。君の通信は逐一見張られている。馬鹿な真似はしないことだ」

 どこまでも、私のことを泥棒だと思ってるのね!

「ご安心ください、ミスター。私にとって、数日前に行きずりの男性とベッドを共にした以上に、愚かなことはありませんから!」

 カッとなって言い切ったら、にらまれた。

「僕との一夜が愚かだったと?」

 瞳の中の、ギラギラした光に震えそうになる。
 私はゴクリと唾を飲み込む。

「はい」

 そうよ。
 私を置き去りにして。
 会社を乗っ取る、て脅しをかけきた。
 人生で一番幸せだった時間を、貴方が台無しにしたのよ!

「ふうん。僕の下で君は、かなり気持ちよさそうだったけど?」
「なっ……!」

 あからさまなネイトの言葉に、体が熱を持つ。
 たしかに、最高だった。
 引き換え、彼はどうだったのだろう。
 
「今も僕のことが気になって仕方ないようだな」

 バレてた。
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