癒しの君と炎の王~炎の王は癒しの娘を溺愛中~
俺は昔、1度だけ天使を見たことがある。
代々、王家の者だけに受け継げられる能力が10才の頃に目覚め、能力を正しくコントロールするために、城から西の魔女の森へ移動する途中、賊に襲われ、乗っていた馬車ごと崖から落とされた。
御者もお付きの者も助からなかったが、奇跡的に俺だけは助かった。それも無傷で。
しかし、本当はその時、俺は大怪我をしていた。
全身が痛い…動けない。僕はこのまま死んでしまうんだろうか…。
視界が狭くなり、遠のく意識の中で声が聞こえた。
「この二人は残念だが手遅れだ。そっちの少年はどうだ?」
「息があるよ!おじいちゃん!」
「よし、ソフィア、やってみなさい」
「はい。…
天におはしますひかりの神よ。われにいやしの力をあたえたまえ。」