【12/18番外編更新】あまやかしても、いいですか?【完】
「今日は、そうくんと約束があるので、安心してください。一人ぼっちじゃないです、よ?」
壮亮が一緒なら、何も心配なことはないと思う。
普段は自分の席で食べていることが多いけれど、それも最近は鍵をかけるように指示をされて、とくに誰にも会わないまま、時間を過ごしていた。
「そうくんと一緒なら、危ないこともそんなに多くな……、っん」
安心して欲しくて呟いた声が、ぱくりと遼雅さんの唇に食べられてしまう。
目を見開いて胸に手を置いてみても、気にした素振りひとつなく、すこし強引に舌が割り入ってくる。誘うように舌をなぞられたら、考えをまとめる暇もなく、喉の奥から甘ったるい声が鳴った。
「りょ、がさ、」
必死に名前を呼んでいるのに、答えるように後頭部を大きな掌に押さえつけられた。
呼吸さえも飲み込むような激しさで、より深く口づけられる。
拒絶の全てを丸められて、ぴったりと身体を寄せられた。そのまま、すぐ近くのソファに体を押し込まれる。
「ん、ぅ……、だ、め」
「ん」
「じか、ん」
「うん」
必死で訴えているのに、退いてくれない熱が、何度も私の唇に遊びを仕掛けてくる。まるで、私が時間を忘れてしまうように唆しているみたいだ。
「そ、くん……、まって、る、から」
携帯に連絡が入っていることは間違いない。
唇が熱を持っている。
押し倒してきた胸に手で触れて、名残惜しそうに唇を離した人が私を見つめていた。複雑な色気を纏った瞳が、まっすぐに射抜いてくる。
「そうくん、ね」