【12/18番外編更新】あまやかしても、いいですか?【完】
声を上げる遼雅さんの唇が、濡れて見える。
気恥ずかしくなって顔をそらそうとしたら、節くれた指先が、同じく濡れている私の唇の輪郭をなぞった。
「あ、ぅ……、もう、やめてくださ、い」
「うん?」
とろけそうにあまい。うっそりと笑った遼雅さんが、とぼけて首を傾げた。
「ち、こく、しちゃいま、す」
「……きみは、俺を煽りつけるのがうまい」
「あおっ、てないです」
「無自覚だから、ますます離しがたいな」
まっすぐに囁かれたら、眩暈が止まらなくなってしまいそうだ。
「ゆずは」
「は、い」
「じゃあ、行かせてあげるかわりに、俺にもご褒美をくれませんか?」
すこし茶化した遼雅さんが、やわらかに私の髪を撫ぜてくれる。
「来週から、峯田さんといる時以外の昼は、全部俺にください」
提案というよりも、決定に近い。耳を柔く撫でられて、呆然としたまま遼雅さんを見つめていた。
一緒にいられるのか。
驚いたまま何も言えない私の唇にちゅう、と音を立てて軽く吸い付いてくる。あまいリップノイズで、ようやく混乱の波から引き戻された。
「予定は空いてる?」
「え、と、空いてます、けど」
「よし、じゃあ、来週からずっと、俺が予約しておきます」
「ええ?」
「俺はお昼の時間も、かわいい奥さんと一緒にいたいんだけど。だめかな」
気恥ずかしくなって顔をそらそうとしたら、節くれた指先が、同じく濡れている私の唇の輪郭をなぞった。
「あ、ぅ……、もう、やめてくださ、い」
「うん?」
とろけそうにあまい。うっそりと笑った遼雅さんが、とぼけて首を傾げた。
「ち、こく、しちゃいま、す」
「……きみは、俺を煽りつけるのがうまい」
「あおっ、てないです」
「無自覚だから、ますます離しがたいな」
まっすぐに囁かれたら、眩暈が止まらなくなってしまいそうだ。
「ゆずは」
「は、い」
「じゃあ、行かせてあげるかわりに、俺にもご褒美をくれませんか?」
すこし茶化した遼雅さんが、やわらかに私の髪を撫ぜてくれる。
「来週から、峯田さんといる時以外の昼は、全部俺にください」
提案というよりも、決定に近い。耳を柔く撫でられて、呆然としたまま遼雅さんを見つめていた。
一緒にいられるのか。
驚いたまま何も言えない私の唇にちゅう、と音を立てて軽く吸い付いてくる。あまいリップノイズで、ようやく混乱の波から引き戻された。
「予定は空いてる?」
「え、と、空いてます、けど」
「よし、じゃあ、来週からずっと、俺が予約しておきます」
「ええ?」
「俺はお昼の時間も、かわいい奥さんと一緒にいたいんだけど。だめかな」