【12/18番外編更新】あまやかしても、いいですか?【完】
遼雅さんとは違って、豪勢な食べっぷりだと思う。負けじと口にご飯を入れて、ふいに遼雅さんの言葉を思い出した。
「ねえ、そうくん」
「ん」
「私、ご飯食べる時、へらへらしてると思う?」
「思う」
「……直せるかな」
「誰かに言われたのか?」
「……りょ、……、うーん、その、旦那さんに」
かなりの小声になってしまった。言い終えてちらりと見上げたら、耳を寄せてくれたらしい壮亮に軽快に頭を叩かれた。
「惚気てくんな」
「のろ、」
「嫌なら一緒に食わなきゃ良いだろ?」
「えええ、それは無理だよ。……お昼も一緒に食べようってことになって」
「はあ~? は?」
「あ、金曜日は、そうくんと一緒だよ」
「いや、は? いや……、おま、お前本当にバカか?」
心底呆れた様子である。
しばらくため息を吐いた壮亮が、可哀想なものを見るような目でこちらを見つめてきていた。これは本当に怒っていそうだ。
「……柚」
「うん?」
「お前、本当にあいつが結婚相手で、無理してねえのか」
ぺろりと食べ終わった壮亮がじっと見つめてくる。私もすでにすこしお腹がいっぱいで、合わせるように箸をおいた。
「無理? はしてないよ。その……、旦那さんの力に、なれてるかなあってことは、心配だけど」
「ん、じゃあいい。ほんと、ころっと騙されやがって。こっちの心配損だわ」