【12/18番外編更新】あまやかしても、いいですか?【完】
「う、りょ、うが……さ」
「ん」
「まっ」
「うん」
「ひざ、まくら」
「ん、」
「うう、だ、め」
聴こえないふりをしている人の肩をぽかぽかと叩いて、ようやく至近距離で、遼雅さんの勢いが止まる。
燃えそうな瞳に映る自分と目が合って、慌てて目をそらした。
「ゆずは」
「は、い」
「キス、だめ?」
「だめ。もう、おわ、り」
呼吸が乱れていることすら恥ずかしい。
恨めしくなって睨むように見つめてみたら、じっとこちらを見ていたらしい遼雅さんのとろけそうな微笑みにぶつかってしまった。
「残念。俺はもっとキスしたかった」
「……だめ、です」
「あはは、ごめんね。あんまりかわいい顔しないで。抑えられなくなる」
掠れた囁きに胸が震えてしまった。
見つめあう遼雅さんが、簡単にまた私の唇に触れて、リップノイズがはじける。また始まってしまいそうで、慌てて遼雅さんの口に手を当てた。
「してない、です。……ひざ、まくら」
「うん?」
「したくない、ですか」
「……したいの?」
私の手を剥がして、恋人のように繋ぎ合わせながら問いかけてくる。
恥ずかしさで俯いた私の耳にそっと囁き入れて、指先で俯く私の唇の際をゆるくなぞる。あやしい動きに背筋が震えてしまった。