【12/18番外編更新】あまやかしても、いいですか?【完】
どうにかなってしまいそうで、半分やけになりながら言葉を返していた。


「ん、し、したい」

「あはは、もう。かわいい」

「うう、もう、りょうが、さん」

「食べられそうになって逃げだすための口実だったとしても、たまんない。……なんでそんなにかわいい? 心配になるよ」

「もう、やだ。かわいくないです」

「やだやだしてるときも、柚葉さんはかわいいだけだよ」

「ああ、うう」

「ごめんごめん。あんまりかわいくて。……かわいい奥さん、膝枕お願いしてもいいですか?」


くすくすと笑う旦那さんに根負けして頷く。私から提案したはずなのに、いつのまにか遼雅さんのペースになってしまっていた。

ソファの端に移動して、悪戯な笑みを浮かべている遼雅さんをもう一度睨んでみる。


「あはは、かわいい」

「遼雅さん、ちゃんと寝てください」

「はい。じゃあ、重かったら言ってね」


大きなソファなのに、遼雅さんが横になるとすこし足が出てしまうから驚いた。そっと腿に頭を乗せた遼雅さんが、じっとこちらを見つめてくる。


「大丈夫?」

「平気です。……そうだ。遼雅さんは天使なのかも。羽根はどこにあるかなあ」

「はは、それはどこの男の真似ですか」
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