【12/18番外編更新】あまやかしても、いいですか?【完】
「う、うん。知ってる。……でもいっぱい遼雅さんの前でも笑っちゃってる。どうしよう?」
「うん、だからもう無駄無駄。お前どうやっても逃げらんねえよ、諦めろ」
ひらひらと手を振って、食べ終わったスプーンをお皿に置いてしまった。壮亮は、話は終わったとばかりにオレンジジュースを飲み始めてしまっている。
「逃げる? ことはないけど、りょ……、旦那さんが誰かを好きになったら……」
「はいはいはいはい。もういいって。お前さ、好きなんだろ? どうせ、もう惚れちまったんだろ」
「……ひみつにしてね」
「バレバレだわハゲ! どっからどう見ても幸せオーラしかねえわ! 馬鹿野郎! クソ可愛いな! クッソ」
「元気だね」
「ポジティブだな。……まあ、いいんじゃね。渡の件も、あいつが居たから何とかなっただろ。責任とって好きになってくださいとか言ってみれば」
「ええ、おこがましい……」
「喜んで飛びついてくるだろうよ」
「そんなことないよ」
「もう俺がいなくても大丈夫だ」
静かに笑って、ぐちゃぐちゃに頭を撫でてくる。
壮亮の瞳にすこしさみしくなって、じっと見つめたら「その顔やめろっつったろ、ばーか」とまた暴言を吐かれてしまった。
言葉とは裏腹に、やさしい目をしていると思う。