【12/18番外編更新】あまやかしても、いいですか?【完】
ただでさえ忙しいことを知っているから、すこしくらい、ゆっくりしてほしい。
「真面目よねえ」
「いえ、仕事をしっかりできていないことが悪いので」
「気にすることないって。さとうちゃんは、自分で思ってる以上に仕事してるわよ~。専務も言ってたじゃない」
「そうですかね」
「専務残して産休なんて、不安でいっぱいだったけど、さとうちゃんを見てこの子なら任せられる! って安心しちゃったくらいだもの」
「青木先輩……、ありがとうございます」
「ふふふ、自信もって!」
肩をやんわりと叩かれて、ようやく気分が落ち着いてきた。
正直なところ、渡総務部長にはあまり会いたくない。会うたびに眉を顰めて注意をされるから、いつも内心泣きかけている。社会人失格だと思いなおして、軽く深呼吸を打ったところで役員室の扉が開いた。
「橘さん、ありがとうございました」
「いいえ。またいつでも来てください」
「はい、また来ます」
出てきた二人が楽しそうに笑っている。
園部さんもどちらかというと感情が表に出にくい人だと思うけれど、専務と一緒の時だけは心から楽しそうに笑っている。
たしかに、二人はお似合いに見えるかもしれない。
園部さんを部屋の出口まで見送った専務がこちらを振り向いて、いつものように美しく微笑んだ。
「真面目よねえ」
「いえ、仕事をしっかりできていないことが悪いので」
「気にすることないって。さとうちゃんは、自分で思ってる以上に仕事してるわよ~。専務も言ってたじゃない」
「そうですかね」
「専務残して産休なんて、不安でいっぱいだったけど、さとうちゃんを見てこの子なら任せられる! って安心しちゃったくらいだもの」
「青木先輩……、ありがとうございます」
「ふふふ、自信もって!」
肩をやんわりと叩かれて、ようやく気分が落ち着いてきた。
正直なところ、渡総務部長にはあまり会いたくない。会うたびに眉を顰めて注意をされるから、いつも内心泣きかけている。社会人失格だと思いなおして、軽く深呼吸を打ったところで役員室の扉が開いた。
「橘さん、ありがとうございました」
「いいえ。またいつでも来てください」
「はい、また来ます」
出てきた二人が楽しそうに笑っている。
園部さんもどちらかというと感情が表に出にくい人だと思うけれど、専務と一緒の時だけは心から楽しそうに笑っている。
たしかに、二人はお似合いに見えるかもしれない。
園部さんを部屋の出口まで見送った専務がこちらを振り向いて、いつものように美しく微笑んだ。