【12/18番外編更新】あまやかしても、いいですか?【完】
「な、にを」
「そうだとしたら、飛んで行かないでね」
「りょう、」
あまく開かれている扉を手で押して、あっけなく寝室のベッドにおろされる。
丁寧な指先でベッドランプにひかりを灯した人が、確かめるように肩甲骨に触れた。
「羽根はここかな?」
「あ、くすぐった、い」
「それともここ?」
くつくつと笑って、服の上からあちこちに触れてくる。
いたずらを仕掛ける子どもみたいに問いかけて、至る所をくすぐりながら「俺みたいな男には見えないのかなあ」とふざけて見せていた。
「もう、りょうが、さん」
「うん?」
わるい手を両方とも掴んで睨んでみれば、このうえなくうれしそうな顔をする人と目が合って、言葉が出てこなくなってしまった。
狼狽えているうちに、あまい笑みを浮かべた唇をよせられる。
かわいらしく音を鳴らして、至近距離で囁かれてしまった。
「柚葉」
その名前に、一番の価値があるとでも言ってしまいそうな丁寧な発音だ。
背筋に痺れて、息が止まりかける。
「もう一回、していいかな」
ふ、と笑って、答えられない私の唇にもう一度熱を移してくれる。
今度は軽く触れあうだけではなく、啄むように食んで、下唇を甘噛みされる。
「ん、」