【12/18番外編更新】あまやかしても、いいですか?【完】
私が押さえつけていたはずの指先は、あっという間に恋人のように繋ぎ合わされていた。
どうやっても抗えない魅力を持った人がいる。
「まだ、身体がつめたい」
「あ、ついです」
「まだ、だめ」
もう、のぼせてしまいそうなのに、遼雅さんは丁寧に私の指先を握って、口元に寄せては口づけたり、舐めたり、かじったりしている。
いつもこうやって、同じように身体中に火をつけられるのに、何度見ても慣れない光景だった。
「りょうがさ、ん、あ、つい……っ」
必死に逃げようとしているのに、遼雅さんの手に捕まえられたら、どこにも逃げ場なんてない。
広いベッドにしようと言って、大きなものを買ったはずなのに、限界まで身体を近づけて放してくれない。
「だめだよ。まだ、どろどろになるまでしないと、つめたくなってしまうかもしれないから」
「な、らない、から……、ぁ」
愛されていると錯覚してしまうから、こまる。
恨めしい目で見つめたら、こまったような、愛らしいものをめでるような顔をした人が、指先へのキスをやめて抱きしめてくれる。
その腕の中がすきだ。
すごく、すきだ。もう、どこよりも安心できる場になってしまった。だからまずい。