冬の雨に濡れて
第26話 保護者面談
7月15日(土)に高校の保護者面談があった。未希からは行かなくてもいいと言われていたが、去年、石田先生に保護者だと大見えを切ってきた手前、行かないわけにはいかないと出席することにした。
石田先生から未希の学校生活の状況について聞いたが、授業は一生懸命に聞いており、授業態度もいいとのことだった。いじめられていなかと聞いたがそんなことはないから安心してほしいと言われた。
卒業後はどう考えているのか聞かれた。未希は就職を希望していると言うことだった。できれば何か手に職を付けてやりたいと言っておいた。まだ時間があるが、早めに相談して決めておいてほしいと言われた。
未希の成績はクラスの中の上くらいで、試験の成績はどれも60点以上はあったので落第の恐れはないので安心した。でもこの成績で大学となると国公立は無理だ。私立しかないが、それは金銭的に無理だ。でも何か考えてやらないと高校を卒業しただけでは就職してもそのあとが大変だ。帰って未希と相談することにした。
アパートに帰ると未希はいなかった。5時に未希がアルバイトを終えて上がってきた。土曜日は9時からだったので、5時に上がったという。保護者面談の話をした。
「未希、成績はまあまあだな。このままだと落第はしないから安心した」
「おじさんが教えてくれているから、なんとかついていけている」
「石田先生から卒業後のことについて聞かれた。就職を希望していると聞いたけど」
「すぐに働きたいと思います。おじさんのお世話になって迷惑をかけていないで早く自立したいんです」
「いい就職口が見つかるといいが、これからのことも考えて手に職を付けたらどうかな? 女子は大学へ行くよりも手に職を付けた方がいい。例えば、美容師とか、栄養師とか、看護師とか、調理師とか、介護師とかいろいろあると思うけど」
「看護師は無理だと思う。入学試験の倍率が高いから」
「専門学校なら入試はそれほどでもないと思うけど」
「でも授業料が高いと思います」
「1、2年だと思うから、何とかなるんじゃないか。未希は貯金がいくらあるんだ?」
「180万円くらいです」
「保険金のほかに随分貯めたね、それだけあればなんとかなる。授業料の半分は俺が貸そう。返却は身体で」
「それでいいんですか。今のおじさんの状態のままで本当にいいんですか」
「期間が長くなるが、きちんと身体で返してもらうことになるけどいいのなら」
「おじさんがそれでよければ」
「じゃあ、どんな資格が良いか調べて考えてみたらいい。時間は十分にあるから」
資格が必要だといい、授業料を半額出してやると言って専門学校を勧めた。未希は専門学校へ行って資格を取ることに決めた。その方が未希の将来のために良いと思った。未希は身体で必ず返すと言ったので安心した。卑怯な手かもしれないが、これからも未希を自分の元においておく口実はこれしかない。
それより未希が自立したいと言ったときには実際驚いた。どういう意味で言ったのか、あえて確かめなかった。理由を聞くのが怖かった。
石田先生から未希の学校生活の状況について聞いたが、授業は一生懸命に聞いており、授業態度もいいとのことだった。いじめられていなかと聞いたがそんなことはないから安心してほしいと言われた。
卒業後はどう考えているのか聞かれた。未希は就職を希望していると言うことだった。できれば何か手に職を付けてやりたいと言っておいた。まだ時間があるが、早めに相談して決めておいてほしいと言われた。
未希の成績はクラスの中の上くらいで、試験の成績はどれも60点以上はあったので落第の恐れはないので安心した。でもこの成績で大学となると国公立は無理だ。私立しかないが、それは金銭的に無理だ。でも何か考えてやらないと高校を卒業しただけでは就職してもそのあとが大変だ。帰って未希と相談することにした。
アパートに帰ると未希はいなかった。5時に未希がアルバイトを終えて上がってきた。土曜日は9時からだったので、5時に上がったという。保護者面談の話をした。
「未希、成績はまあまあだな。このままだと落第はしないから安心した」
「おじさんが教えてくれているから、なんとかついていけている」
「石田先生から卒業後のことについて聞かれた。就職を希望していると聞いたけど」
「すぐに働きたいと思います。おじさんのお世話になって迷惑をかけていないで早く自立したいんです」
「いい就職口が見つかるといいが、これからのことも考えて手に職を付けたらどうかな? 女子は大学へ行くよりも手に職を付けた方がいい。例えば、美容師とか、栄養師とか、看護師とか、調理師とか、介護師とかいろいろあると思うけど」
「看護師は無理だと思う。入学試験の倍率が高いから」
「専門学校なら入試はそれほどでもないと思うけど」
「でも授業料が高いと思います」
「1、2年だと思うから、何とかなるんじゃないか。未希は貯金がいくらあるんだ?」
「180万円くらいです」
「保険金のほかに随分貯めたね、それだけあればなんとかなる。授業料の半分は俺が貸そう。返却は身体で」
「それでいいんですか。今のおじさんの状態のままで本当にいいんですか」
「期間が長くなるが、きちんと身体で返してもらうことになるけどいいのなら」
「おじさんがそれでよければ」
「じゃあ、どんな資格が良いか調べて考えてみたらいい。時間は十分にあるから」
資格が必要だといい、授業料を半額出してやると言って専門学校を勧めた。未希は専門学校へ行って資格を取ることに決めた。その方が未希の将来のために良いと思った。未希は身体で必ず返すと言ったので安心した。卑怯な手かもしれないが、これからも未希を自分の元においておく口実はこれしかない。
それより未希が自立したいと言ったときには実際驚いた。どういう意味で言ったのか、あえて確かめなかった。理由を聞くのが怖かった。