冷凍庫の中の騎士
 家に一番近いコンビニで今日の『お供』を選ぶ。

(おにぎりはー……これにしよう。あ、卵も買っちゃおう。おかしはー……あ、見たことないやつ!)

 炊き込みご飯のおにぎり、半熟卵、新作のチョコ菓子、お気に入りのチョコミントアイス、冷えているスパークリングの日本酒、エトセトラ。

「肉まんと唐揚げください。あったかいのはビニール袋にいれてください。冷たいのはエコバックにいれます! あ、お箸もお願いします」

 こうしてわたしは『最高のお供』を手に入れた。

(今日はなにを観ようかなー、猫ドラマか、料理ドラマか……)

 コンビニから出ると、自然と早足になる。コンビニから五分の我が家に入り、リビングに買ってきたものを広げる。

「ズボラ! 最高!」

 週に一回だけ自分に許しているコンビニご飯。
 これが最近のわたしの一番の楽しみだ。普段の自炊と節約は全部この楽しみのため。貯金は月に二万もできてるから、オッケー。

「よーし、始めよ!」

 わたしの金曜はここから始まる。
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