COSMOS
オレはペダルにかける力を強めた。

ビュンビュン加速して前に前に進んでいく。


「ワンコ随分ハイスピードっすね。怪我しないように気をつけて下さいねー」

「分かってるよ」


オレはあの日から久遠のお荷物になっている。

大したことしてないし、

迷惑ばかりかけている。

それでいいって言われても、

それじゃダメだと心が叫んでいる。

久遠に全部受け止めさせるんじゃなくて、

オレが久遠の苦労も想いも全部分けてもらえるように、

それくらい信頼してもらえるように、

オレは努力しなければならないんだ。


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