COSMOS
翌日の昼休みのこと。

オレは屋上に羽依を呼び出して昨日買ったプレゼントを渡した。


「えっ、すご~い!さっくん、ありがとう!」

「どういたしまして」

「今、開けてもいい?」

「うん、いいよ」


今日は6月だというのに、珍しく雲ひとつない快晴だ。

初夏の訪れを感じさせる爽やかな風が吹き寄せる上に、目の前に天使がいるとなると胸が高揚する。

心の中ではスキップしていて、昨夜の帰り道に久遠が歌っていた恋愛ソングが脳内に流れる。

何度も何度もサビが繰り返され、離れない。

ぼんやりしているうちに羽依は赤いリボンをほどき、箱を開けていた。


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