COSMOS
「あ。その前に私の願い事、聞いてもらえますか?」

「えっ?あ、いいけど」


久遠が突如立ち止まり、道路を挟んで向こうのやたらと看板が眩しいローカルコンビニを指差した。


「アイス限界食べがしたいっす。一緒にやってください」

「は?」

「ってことで、いっきまーす。あ、ちなみに1番安いガソガソくんでいいんで」


そう言うと久遠は横断歩道まで律儀に走っていった。

オレはそれを追いかけた。

久遠の背中を追った。

その背中には、絶対に幻だろうが、十字架が見えた。

オレの想像を絶する何かを1人で背負い込んでいるのだろう。

そこまでは分かっても、それ以上はまだ箱の中だった。

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