COSMOS
「何?」

「市ヶ谷くんもあの子も鈍感だなぁと思って」

「鈍感?どういうことだよ?」

「どういうことって、そのままの意味よ。自分の感情の変化に気付きにくいの」


オレが鈍感?

そんなわけあるかよ。

そんなこと、1度も言われたことないぞ。


「市ヶ谷くん、あなたはモテるわ。

だから、近付いてくる女子は大抵あなたの心を狙ってるの。

そこをわきまえて。あなたには羽依がいるんだから、他の子より羽依を優先して。
いい?」


言われなくても分かってるし、そうして来たつもりだが。

今さら何を忠告されてるんだ、オレは?


「ってことで、よろしく。じゃあ、今日明日はせいぜいクラスの優勝のために頑張ってね。それが1番なんだから」


< 296 / 731 >

この作品をシェア

pagetop