COSMOS
「おいっ!」

「うわっ!びっくりした!」


突如、ひなの手が肩に乗って驚いた。

背後に迫っていたとは気付かなかった。

ったく、心臓に悪いぞ。


「そろそろ開会式だから廊下に整列しろだってさ」

「了解」

「今日は頑張ってくれよ~。ゆっちをヤツに渡したくないからな」

「だったらひなが戦えよ」

「残念ながら、おれは戦力外なんだよ。サッカー部時代だっていっつも補欠だったって言ったろ?苦い思い出を何回も思い出させないでくれよ~」

「はいはい、分かった分かった。ひなのためにも頑張るよ」

「おっしゃ~!ありがとう、ワンコ!持つべきは友だな!あははは!」


朝から賑やかだが、本番はここからだ。

オレは気を引き締め直して会場へと向かったのだった。

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