COSMOS
「あのー、そろそろ出なきゃなんじゃないっすかー。遅れたら失格っすからねー、時間厳守でお願いしますよー」

「分かってる。出ようとしたところに久遠が来たんだ。ったく、間が悪いやつだ」

「どーぞ、言いたいように言ってください。それでアドレナリンが出るなら尚更っす。私のこと、思う存分いじめて下さい」


いじめて下さいって、

お前......


「ドMかよ」

「両極っす。あ、ちなみに洋服もSMいけますよ」


洋服?


「そんなの聞いてねー」

「いやー、勝負に勝ったら買ってくれるかと思ってー」

「バカ。なんで頑張ったオレが買わなきゃなんねぇんだよ。普通は逆だろ」

「はは。そうっすねー」


オレの緊張を和らげるためにやってるのか、自分の緊張を紛らわすためなのか、そこら辺は分からない。

だが、いつもと様子が違うのは分かった。

一応注意しておこう。


「それでは、また後で。ご健闘をお祈りしてます」

「はいはい。久遠もそこそこに頑張れよ」

「へーい」


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