COSMOS
「これやるよ。久遠の分も買ったんだ」

「えー。大丈夫っすかー?毒薬だったりしてー」

「んなわけねーだろ。ほら、つべこべ言わず、ありがたく受け取れ」

「へーい」


久遠はぺこりとお辞儀をし、早速中身を開け出した。

丁寧に青いリボンをほどき、中身を出す。

以外と丁寧なやつだな。

少しばかり感心する。


「おー。これはなかなかっすねー。ってか、感心っす。私のほしいもの、良く分かりましたねー」

「えっ?マジで?オレ、大当たり?」

「いやー、これずっと欲しかったんすよー。ありがたく飾らせて頂きまーす」

「どーぞご自由に」


それにしても当てるとはなかなかの奇跡を起こしたな。

確かに久遠の欲しいものは、これしかないって思ったんだよな。

久遠はずっとじーっと見つめている。

そんなに嬉しいのか。

なんか照れるな。


「スノードーム、最高っす。ほんと感謝っす」


と1分に1回のペースで言いながら見入っている。

その横顔がどこか懐かしい。

たった1ヶ月だったが、その1ヶ月でオレにははっきり分かった。

分かったんだ。


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