COSMOS
今オレたちがやっているのは、バレンタイン当日に決行する"告白代行サービス"の事前打ち合わせだ。

これを提案したのは、見当がつくとは思うが、部長の久遠である。

何でもこの部にオレが入ったことで、告白の成功率がぐーーんと伸びるとかなんとか言って、反論を述べる隙も与えられぬ間にゴーサインを出されてしまった。

ということで、オレも告白代行をやらなければならない。

しかも、今のところ予定ではオレの担当は20人だ。

自分で告白出来ないシャイ男子のためにオレが動くという訳だ。


「ワンコ、ぼーっとしてないで早く出して下さい」

「あ、ごめん」


オレは20人ものメアドをコピーして久遠のスマホに送った。

このお方の人使いが荒いのは相変わらずで、自分は告白代行サービスは行わない。

ひなさんと共に指示係りとしてオレたち3人に同行するらしい。

だが、バレンタインに何ももらえない男子達を哀れんで、手作りクッキーを作るらしく、そこは気合いを入れてやるとのこと。

自分が恥をかくことは決してやらない、見た目通りプライドの高い女だ。

逆に言えばそのくらいでないと、部長など務まらないのだ。

ってことを最近知った。


< 562 / 731 >

この作品をシェア

pagetop