COSMOS
「私は中3の時、母を亡くしました。

私には父はおらず、母はずっと1人で私を育ててくれました。

中2の夏に母は乳ガンで倒れ、手術をしましたが、半年後には別の場所に転移して最終的には全身を蝕まれ、私が卒業式を迎えた数日後に亡くなりました」

「そう、だったのか...」


私には分かる。

今、私と純さんの心は共鳴している。

似た境遇にあるもの同士が闇に溺れかけている。

だが、私がそれを許さない。

光はあるから。

私が辿る先に、

導く先に、

必ず、光はあるから。

人生には光と闇の両方が待ち受けていて、それを上手く乗り越えてこそ、生きてるって胸を張って言える。

私はそう思う。

だから、今、その思いを伝え、

純さんが闇に飲まれる前に、

私の声で、

言葉で、

思いで、

救うんだ。


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