COSMOS
「母の最期に私は会えました。

きちんと中学を卒業し、高校受験も突破したと伝えました。

そしたら安心したんでしょう。

母はにこりと微笑み、酸素マスクを外し、月がきれいねと呟いた後、眠るようにこの世を去っていきました」

「ぐすっぐすっ......」


ルナ、涙腺崩壊。

辛くなるような話をしてごめん、ルナ。

けど、これが私の過去なんだ。

変えられない過去で、

大事な過去なんだ。


「ワンコ」

「うん」


ワンコはルナを連れ、屋上のベンチに移動した。


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