いかないで
「今年も綺麗に咲いたなぁ」
未夏はひまわりが大好きだ。毎年、鉄平と一緒にひまわりの種を蒔いて育てている。そして綺麗に咲いた花を二人で楽しむのだ。
そんな日々がずっと続けばいいと思っていた。
遠くから聞こえる雨音で未夏は目を覚ます。いつの間にか眠ってしまっていたらしい。ハッとして体を起こすと、晴れていたことが嘘のように町は夕立に見舞われていた。
「いけない!洗濯物!」
未夏は慌てて干してあった洗濯物を取り込む。しかし、もうかなり濡れてしまっているので干した意味がなくなってしまった。
「いつもより強い夕立だわ」
全身を揺らしながら未夏は洗濯物を取り込んでいく。その時、ピシャピシャと誰かの足音が響いた。
「すみません、よろしいですか?」
声をかけられて未夏が前を見ると、そこには帽子を深くかぶった男性が立っていた。何となく嫌な予感がし、未夏は「何かご用ですか?」と訊ねる。
「こちらを鉄平さんにお渡しください」
男性はそう言い、紙切れを取り出す。その紙を見て未夏の体が震えた。その薔薇な赤の紙が何なのか、わかっている。鉄平に兵士として戦争に行くように命令されているのだ。
「あっ……ああっ……」
未夏は泣き出しそうになりながらその紙を受け取り、雨の中、町を走っていく。鉄平に「行かないで」と伝えなければ……!ただその一心で町を走っていた。
未夏はひまわりが大好きだ。毎年、鉄平と一緒にひまわりの種を蒔いて育てている。そして綺麗に咲いた花を二人で楽しむのだ。
そんな日々がずっと続けばいいと思っていた。
遠くから聞こえる雨音で未夏は目を覚ます。いつの間にか眠ってしまっていたらしい。ハッとして体を起こすと、晴れていたことが嘘のように町は夕立に見舞われていた。
「いけない!洗濯物!」
未夏は慌てて干してあった洗濯物を取り込む。しかし、もうかなり濡れてしまっているので干した意味がなくなってしまった。
「いつもより強い夕立だわ」
全身を揺らしながら未夏は洗濯物を取り込んでいく。その時、ピシャピシャと誰かの足音が響いた。
「すみません、よろしいですか?」
声をかけられて未夏が前を見ると、そこには帽子を深くかぶった男性が立っていた。何となく嫌な予感がし、未夏は「何かご用ですか?」と訊ねる。
「こちらを鉄平さんにお渡しください」
男性はそう言い、紙切れを取り出す。その紙を見て未夏の体が震えた。その薔薇な赤の紙が何なのか、わかっている。鉄平に兵士として戦争に行くように命令されているのだ。
「あっ……ああっ……」
未夏は泣き出しそうになりながらその紙を受け取り、雨の中、町を走っていく。鉄平に「行かないで」と伝えなければ……!ただその一心で町を走っていた。