半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「お前、集中力ないんだな。意外とうっかりしていそうだ」
ふと、そんな声が聞こえてハタとする。
パッと視線を戻してみると、じーっとこちらを覗き込んでいるサイラスがいた。
引き続き地上から傍観しているアサギが「ははは、姫様おバカですねー」という声が聞こえたが、ひとまず聞き流した。ぱっと距離を置いてリリアは告げる。
「私、妖力も絶賛成長期だから、うっかり放電するのも、少なからずあるわよ」
「ふん――偉そうに何を言うかと思えば。食らったことは一度だってない」
くそっ、確かにそうだった。
けど、目の前にしてストレートに言われると、ほんとムカツクな!
負けず嫌いでプライドが高いリリアは、思い返して悔しくなった。なぜかいつもほとんど軌道を読まれているし、毎度避けられるか結界で防御されるか、魔法をぶつけられて相殺されてしまっていた。
「チクショー今すぐ一発ぶん殴らせろ!」
これまでの対戦歴を振り返ると、悔しさのあまり獣耳を威嚇するように立てて叫んだ。
けれどリリアが振った右手は、あっさりサイラスによけられてしまう。
ふと、そんな声が聞こえてハタとする。
パッと視線を戻してみると、じーっとこちらを覗き込んでいるサイラスがいた。
引き続き地上から傍観しているアサギが「ははは、姫様おバカですねー」という声が聞こえたが、ひとまず聞き流した。ぱっと距離を置いてリリアは告げる。
「私、妖力も絶賛成長期だから、うっかり放電するのも、少なからずあるわよ」
「ふん――偉そうに何を言うかと思えば。食らったことは一度だってない」
くそっ、確かにそうだった。
けど、目の前にしてストレートに言われると、ほんとムカツクな!
負けず嫌いでプライドが高いリリアは、思い返して悔しくなった。なぜかいつもほとんど軌道を読まれているし、毎度避けられるか結界で防御されるか、魔法をぶつけられて相殺されてしまっていた。
「チクショー今すぐ一発ぶん殴らせろ!」
これまでの対戦歴を振り返ると、悔しさのあまり獣耳を威嚇するように立てて叫んだ。
けれどリリアが振った右手は、あっさりサイラスによけられてしまう。