半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「つまり俺は、簡単に言えばエリート狐だということですよ!」
「そんなの聞いてないしッ」
もう、じっと話を聞く集中力も切れた。リリアが机を叩いて主張した拍子に、小さな閃光が歪に走り抜けて、アサギが「ぎゃッ」と飛び上がった。
「やめてくださいよ姫様っ。前にも説明しましたがその雷撃は狐火より熱度が高いんです! というか、炎が出せないで初っ端から雷撃って時点で、もう姫様も立派な大妖怪――」
「外はこんなにもいい天気なのに、父様だけ畑とかずるい!」
「あ、そっちですか? ははは、オウカ姫の機嫌がいい証拠でしょう。あれほどの大妖怪ともなると、機嫌でも天候が左右されますからねぇ」
そう言いながら、アサギが妖怪国用の本を広げる。
「さて、それでは領地の周りの地図をおさらいしましょう」
「まだ勉強させる気なの!? もう知らないっ、昨日も部屋の中でじっとしてなきゃいけなかったのに、アサギのバカ!」
可愛らしい犬歯を覗かせた直後、リリアの身体がふわりと浮く。
慌ててアサギが掴まえようとしたものの、彼女はスカートの下に着たズボンの足を、ひょいっとしてさけた。
「そんなの聞いてないしッ」
もう、じっと話を聞く集中力も切れた。リリアが机を叩いて主張した拍子に、小さな閃光が歪に走り抜けて、アサギが「ぎゃッ」と飛び上がった。
「やめてくださいよ姫様っ。前にも説明しましたがその雷撃は狐火より熱度が高いんです! というか、炎が出せないで初っ端から雷撃って時点で、もう姫様も立派な大妖怪――」
「外はこんなにもいい天気なのに、父様だけ畑とかずるい!」
「あ、そっちですか? ははは、オウカ姫の機嫌がいい証拠でしょう。あれほどの大妖怪ともなると、機嫌でも天候が左右されますからねぇ」
そう言いながら、アサギが妖怪国用の本を広げる。
「さて、それでは領地の周りの地図をおさらいしましょう」
「まだ勉強させる気なの!? もう知らないっ、昨日も部屋の中でじっとしてなきゃいけなかったのに、アサギのバカ!」
可愛らしい犬歯を覗かせた直後、リリアの身体がふわりと浮く。
慌ててアサギが掴まえようとしたものの、彼女はスカートの下に着たズボンの足を、ひょいっとしてさけた。