半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
確かに先程、何やら言っていたなと思い出していたので、リリアはまぁまぁとアサギを宥めた。彼が察して、彼女の視線の高さまで狸を下げる。
「でも鷲掴みのままなのね……」
「あやかし相手に遠慮はしません、図に乗られる前に、体に教え込みます」
「極端にひどいよ! あんた、狐に多いS体質なの!?」
直後、狸の頭にアサギが拳骨を落とした。
「……妖狐の姫様に、知恵を貸して頂きたいのです」
「……………」
アサギ、無言で『ひとまず話せ』ってやったわね……。
リリアは、くすんっと鼻をすすった狸を前に思った。
「えーっと、なんでそれを私に……? 人間界育ちだし、あやかしから見ると、まだ十五年と数ヶ月の――」
「俺っ、妖狐の姫様みたいな力なんて持ってないんだよおおおぉぉっ!」
「ひぇ!?」
いきなり、小さな前足でガシリと手を握られて、リリアはびっくりした。
それをアサギが、冷徹な目で見ていた。
「お願い姫様協力してくださ――いったぁ!」
アサギが、次はパコーンッといい音を立てて狸の頭を叩いた。
その容赦のないツッコミという仕打ちは、大の大人が小動物をいじめているようにしか見えない。
「でも鷲掴みのままなのね……」
「あやかし相手に遠慮はしません、図に乗られる前に、体に教え込みます」
「極端にひどいよ! あんた、狐に多いS体質なの!?」
直後、狸の頭にアサギが拳骨を落とした。
「……妖狐の姫様に、知恵を貸して頂きたいのです」
「……………」
アサギ、無言で『ひとまず話せ』ってやったわね……。
リリアは、くすんっと鼻をすすった狸を前に思った。
「えーっと、なんでそれを私に……? 人間界育ちだし、あやかしから見ると、まだ十五年と数ヶ月の――」
「俺っ、妖狐の姫様みたいな力なんて持ってないんだよおおおぉぉっ!」
「ひぇ!?」
いきなり、小さな前足でガシリと手を握られて、リリアはびっくりした。
それをアサギが、冷徹な目で見ていた。
「お願い姫様協力してくださ――いったぁ!」
アサギが、次はパコーンッといい音を立てて狸の頭を叩いた。
その容赦のないツッコミという仕打ちは、大の大人が小動物をいじめているようにしか見えない。