半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
またしても、小動物に癒されてリリアの気がそれる。そんなことにも気付かず、カマルが大絶賛を小さな両前足で示して続けた。
「もう格が違います。狐のお姿も、大変美しいです」
そういえば、きちんとしたあやかしは、本来の姿も見えるらしい。
リリアは、現在の自分の狐姿を、少し恥ずかしく思ってもいた。まだまだ小娘の自覚はあるのに、狐姿だとアサギよりも〝背が高い〟のだ。
「そ、そうかしら。怖くないの?」
年頃なので、大きい、怖い、と言われないか気になる。
するとカマルは、もふもふっとした体を揺らして「いーえ!」と力いっぱい言った。
「何をおっしゃいます、とても美しいですよ! いやはや、人型も大変お美しいです。しかも大妖怪! 身から溢れる品からも、俺らとは違っています」
そう褒められたら、話を聞いてやろうという気になってしまう。純粋に尊敬され、褒められるのは悪くない。
「姫様は、それでいいんですか? まぁ俺は別にいいんですけどね。尊敬しちゃっている相手は、人間ではなく生粋のあやかしですが。あやかし視点で褒められまくってます」
アサギが、同じく正座姿勢でスパッと口を挟んできた。
「もう格が違います。狐のお姿も、大変美しいです」
そういえば、きちんとしたあやかしは、本来の姿も見えるらしい。
リリアは、現在の自分の狐姿を、少し恥ずかしく思ってもいた。まだまだ小娘の自覚はあるのに、狐姿だとアサギよりも〝背が高い〟のだ。
「そ、そうかしら。怖くないの?」
年頃なので、大きい、怖い、と言われないか気になる。
するとカマルは、もふもふっとした体を揺らして「いーえ!」と力いっぱい言った。
「何をおっしゃいます、とても美しいですよ! いやはや、人型も大変お美しいです。しかも大妖怪! 身から溢れる品からも、俺らとは違っています」
そう褒められたら、話を聞いてやろうという気になってしまう。純粋に尊敬され、褒められるのは悪くない。
「姫様は、それでいいんですか? まぁ俺は別にいいんですけどね。尊敬しちゃっている相手は、人間ではなく生粋のあやかしですが。あやかし視点で褒められまくってます」
アサギが、同じく正座姿勢でスパッと口を挟んできた。