半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「妖狐の姫様、人間界によくいる成人狸も、だいたいこのくらいの大きさですよ」
「えぇぇ、私には可愛いもふもふにしか見えない」
「あ、この地域じゃ見慣れないからですかね? それなら」
そうカマルが口にしたかと思うと、小さい両前足を組み合わせた。
直後、ぼんっと白い煙に包まれた。先程まで狸がいたそこには、異国の薄地の衣装に身を包んだ、一人の〝少年〟がいた。
「どうです? 立派なもんでしょ? 俺、尻尾も見事隠せて、顔もまさに人間に化けられるんですよ!」
えへへ、と垂れ目な少年、カマルが言った。
リリアは即、いやいやいやと顔の前で手を振って否定した。
「どう見ても十三歳くらいじゃない! 身長も私より少し低いし!」
「変化がへたなだけで、立派な大人のオスですよ」
そばから、アサギが冷めきった目で冷静に教えた。
ひとまず三人、再び向かい合わせて座った。長年の修行の賜物もあって、変化が上手になったのだと自慢したカマルは、やっぱりどこからどう見ても子供だった。
「えぇぇ、私には可愛いもふもふにしか見えない」
「あ、この地域じゃ見慣れないからですかね? それなら」
そうカマルが口にしたかと思うと、小さい両前足を組み合わせた。
直後、ぼんっと白い煙に包まれた。先程まで狸がいたそこには、異国の薄地の衣装に身を包んだ、一人の〝少年〟がいた。
「どうです? 立派なもんでしょ? 俺、尻尾も見事隠せて、顔もまさに人間に化けられるんですよ!」
えへへ、と垂れ目な少年、カマルが言った。
リリアは即、いやいやいやと顔の前で手を振って否定した。
「どう見ても十三歳くらいじゃない! 身長も私より少し低いし!」
「変化がへたなだけで、立派な大人のオスですよ」
そばから、アサギが冷めきった目で冷静に教えた。
ひとまず三人、再び向かい合わせて座った。長年の修行の賜物もあって、変化が上手になったのだと自慢したカマルは、やっぱりどこからどう見ても子供だった。