半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
『そんなにメイの夫になりたくば、立派なオスであることを証明してみせろ。一度眠りに落ちると動かない岩のあやかし。あれを見事どかすことに成功すれば、娘との結婚を認めてやる』
父親である化け大狸の主は、そう述べたらしい。里へと続く道にそれを置いて塞ぎ、いったん里へメイを連れ帰ってしまったのだとか。
「つまり、力を見たいってこと?」
話を聞き終わったところで、リリアは理解が合っているかをアサギに確認した。
「そうでしょうね。人間界でも知られていますが、岩のあやかしの一番簡単な処置は、力技でどかすことです。そうすれば起きます」
なんだ、そんなことなの。
リリアは拍子抜けした。わざわざ自分に突撃してきて話をしたカマルへ、やや呆れた目を戻す。
「そういうことなら、そもそも私の知恵とかいう名目もいらないじゃない。あなたの力が試されているのなら、自身でどうにかすべきであって――」
「見たところ、彼は五十年ほど。それっぽっちの化け狸には無理ですね」
リリアの続く言葉も遮って、アサギがスパッと言った。
父親である化け大狸の主は、そう述べたらしい。里へと続く道にそれを置いて塞ぎ、いったん里へメイを連れ帰ってしまったのだとか。
「つまり、力を見たいってこと?」
話を聞き終わったところで、リリアは理解が合っているかをアサギに確認した。
「そうでしょうね。人間界でも知られていますが、岩のあやかしの一番簡単な処置は、力技でどかすことです。そうすれば起きます」
なんだ、そんなことなの。
リリアは拍子抜けした。わざわざ自分に突撃してきて話をしたカマルへ、やや呆れた目を戻す。
「そういうことなら、そもそも私の知恵とかいう名目もいらないじゃない。あなたの力が試されているのなら、自身でどうにかすべきであって――」
「見たところ、彼は五十年ほど。それっぽっちの化け狸には無理ですね」
リリアの続く言葉も遮って、アサギがスパッと言った。